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VF-11 サンダーボルト(Thunderbolt) は、テレビアニメマクロス7』、OVAマクロスプラス』、及びその他関連作品に登場する架空の兵器(可変戦闘機)。

ペットネーム(愛称)の「サンダーボルト」とは雷電落雷の意。なお、実在する航空機P-47(サンダーボルト)、A-10(サンダーボルトII)にも同様の愛称が付けられている。

テンプレート:ネタバレ

概要[]

機体諸元
サンダーボルト
型式番号 VF-11
設計 新星インダストリー社
全長 ファイター時:15.51m
全幅 ファイター時:11.20m
全高 ファイター時:3.49m
バトロイド時:12.92m(頭部レーザー砲を除く)
空虚重量 9,000kg
エンジン 新星・P&W・ロイス FF-2025G 熱核タービン×2
エンジン推力 28,000kg×2(宇宙空間瞬間最大推力)
補助エンジン 高機動バーニアスラスター P&W HMM-5B
巡航速度 (標準大気圏内高度10,000m):マッハ3.5
(高度30,000m以上):マッハ8.2+
乗員 1名(D型は2名)
武装 対空パルスレーザー機銃×1
防弾シールド×1(ガンポッド予備マガジン2基を格納)
30mm6連ガンポッド×1(先端部に銃剣を装備)
チャフフレアディスペンサー×2
拡張装備 専用ファストパック(大気圏内用、大気圏外用 他)
プロテクター・ウェポンシステム
サウンドブースター(MAXL改) 他

2030年より新地球統合軍の主力機として配備された機体。2020年代までは宇宙用主力機としてVF-4 ライトニングIII、大気圏内主力機としてVF-5000 スターミラージュがそれぞれ配備されたが、いずれもVF-1 バルキリーをベースにした設計であり、本当の意味での次世代機は登場していなかった。折から、宇宙移民圏の治安維持強化のためVF-1の様な汎用機の必要性が見直されており、老朽化したVF-4の代替として、新星インダストリー社開発のVF-X-11がゼネラル・ギャラクシー社のYF-14を抑え、「VF-11 サンダーボルト」として制式採用されることとなった。なお、敗れたYF-14はVF-14 ヴァンパイアとして、移民惑星でのライセンス生産へと回された。

VF-11はトータルバランスを重視した機体で、性能面で特に傑出したものはない。しかし、癖のない飛行安定性や整備性、信頼性など、現場での運用評価が高く、用途別のバリエーション展開も容易であった。その適応性、拡張性の高さからVF-14を除く既存のVFシリーズ全機を引退、もしくは後方配備に追い込み、VF-1の正統な後継機の座に就くことになった。その後、後継主力機であるVF-19 エクスカリバーが登場するまでの10年以上に渡り第一線で運用され続けた。最新鋭のAVFと比べれば明らかに旧世代機ではあるが、その機体設計の優秀さは、これを雛形に新星がVF-19(YF-19)を開発したことからも明らかで、「VF-1以来の傑作可変戦闘機」と呼ばれるに相応しい。

機体解説[]

VF-1やVF-5000の流れを汲む、大気圏内での空力特性を重視したフォルムを持つ。機首両脇の大型カナード前翼が特徴的で、若干最高速度は落ちるが高機動時の操縦性に優れている。主翼はVF-1と同じ可変翼を採用しているが、翼面積はより大きく、むしろVF-0 フェニックスに似た印象を与える。

変形方式はVF-1以来の屈胴式で、各形態のシルエットもVF-1と似通っている。しかし、VF-1では脚部が変形の際に一度切り離されてから機首のジョイントに接続されるのに対し、こちらではセンターモジュールから分離すること無くそのまま変形する。

また、バトロイドモードで使用する「盾」が標準装備になったことが特徴として挙げられる。この盾はファイターモードでは機体後尾のパンケーキ部(VF-1ではこの部分にバトロイド時のブースターが配置されている)に配置され、ガウォーク、バトロイド時は左前腕部に装着される(盾の裏にガンポッドの予備マガジンを備える)。ガンポッド先端には銃剣が付けられたが、これら盾や剣といった格闘戦装備は、反乱分子のゼントラーディ人やバトルスーツの鎮圧作戦上必要とみなされ設けられた。他には、ファイター形態で頭部レーザー斜銃の位置が機体下面から上面後ろ向きへ変更されたが、これは空中戦(ドッグファイト)で死角となる後方の敵機を狙い撃つためである。この方式はVF-5000からVF-11を経て有効性が立証され、後の可変戦闘機すべてに採用されることになった。

なお、VF-1以来の多目的戦闘機とあって、使用用途に合わせファストパックなどの様々なオプションユニットが開発されている(追加装備を参照)。

バリエーション[]

VF-X-11
性能評価用の試作型。開発時にはカナード前翼の採用を巡って論議が起こり、採用型と非採用型が試作された。統合政府要人誘拐事件において、マクシミリアン・ジーナスミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻が救出作戦にカナード採用型のVF-X-11を使用。大気圏内での優れた運動性を実証したという経緯がある。
VF-11A
初期生産型。頭部レーザー機銃やモニターアイの形状がB型以降とは異なる。軍からの仕様変更要求が数回あったことと、VF-14以外の全ての可変戦闘機が機種転換の対象になったため、メーカーの量産体制が整わず生産、配備数は少数に止まった。
VF-11B
A型のエンジン推力を向上させた改良型。『マクロスプラス』に登場した。この型にてメーカーの量産体制が整い、主力機として大量に生産、配備されている。
VF-11C
B型のアビオニクス改良型。『マクロス7』に登場した機種で、2040年代、前線部隊から順次機種転換が進められた。バトロイド時のコクピットカバーや専用ファストパック(後述)以外、B型との外見上の変更点は判別しづらい。
VF-11D
C型の複座練習型。コクピット部が延長されキャノピーが2重式となった。カナード前翼が若干大型化し、頭部形状もB・C型とは異なる。ジャミングバーズ専用のVF-11D改の場合、前席に統合軍パイロット、後席にジャミングバーズ隊員が搭乗する。また、ジャミングバーズ専用機は大気圏内外両用のサウンドブースターポッドを装備する。
VF-11MAXL
エンジンを次世代型の熱核バーストタービンVF-16にて採用されたものを流用)に換装し、機体の大型化、カナード前翼 + 大型デルタ翼の採用など大幅な改良が加えられた。パイロットの個性に合わせて作られるいわばオーダーメイド機であり、統合軍全体で10数機しか生産されていない。機体により垂直尾翼を持つVF-11MAXLも存在するとされる。小説版『マクロスF』では異星物研究所に併設されたL.A.Iラボに試験用に保管された二機をアルトとルカが操縦している。
VF-11MAXL改
マクロス7船団が対プロトデビルン用に編成した民間協力部隊「サウンドフォース」に配備された特注機。搭乗者であるミレーヌ・ジーナスの名を取りミレーヌバルキリーの通称で呼ばれる。コールサインは「S2(エスツー)」。
ノーマルのMAXLから最大の変更点は、より女性的にアレンジされた体型と極端に擬人化されたフェイス部。このフェイス部は一枚板から丹念に打ち出されたもので、他のサウンドフォース機にも見られる特徴である。また、操縦桿がベース型のサウンドスティックコントロールに変更されている他、サウンドエナジー変換シート等が標準装備されている。更に追加オプションとして、サウンドエナジーを増幅し広域に放射する専用のサウンドブースターを装着する。

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追加装備[]

ファストパック
大気圏外用
VF-1のものよりも小型化されている。B型はマイクロミサイルの発射口が片側4つでノズル形状が円錐型だが、C型は発射口が2つに減らされ、ノズル形状が角型に変更されている。
大気圏内用
空気抵抗を考慮した流線型で、推力偏向ノズルが付けられている。
大気圏内外両用
D改型用で、時空共振サウンドスピーカーを備える。
プロテクター・ウェポンシステム
アーマードバルキリーを凌ぐ耐弾性、重武装から「フルアーマード・サンダーボルト」と呼ばれる。バトロイドの全身を覆う脱着式装甲に大量のミサイルが内蔵され、両肩の連装ビーム砲計4門、専用の長砲身高貫通型ガンポッドなども使用する。腕部の大型シールドはリアクティブアーマー仕様。
サウンドブースター
ミレーヌ・ジーナスのMAXL改型専用の装備。飛行時は全翼機型で背部にドッキングし、バトロイドでは両翼に大型の時空共振サウンドスピーカーを展開する。
警戒・索敵用装備
円盤状の大型レドームを搭載したファストパックを装備する。
フォールドブースター
VF-19やVF-22S シュトゥルムフォーゲルIIと共通の可変戦闘機用小型システム。ミレーヌのMAXL改にはサウンドブースターの上に二段重ねで装備された。
ロケットブースター
スーパーノヴァ計画の追跡観測機 (VF-11B) に装着された外付け式ブースター。機体を挟んで上下に固形燃料ロケット2基を装着し強引に最高速度を高めたが、それでもYF-21に追随するのは困難であった。

関連項目[]

  • Su-27(デザインモチーフとなったロシアの戦闘機)
  • F-16XL(VF-11MAXLのデザインモチーフとなったF-16の改良型)


zh:VF-11雷霆式戰鬥機

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