MACROSS Wiki
Im>秋田城之介
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{{Pathnav|[[マクロスシリーズ]]|[[マクロス7]]|frame=1}}
『'''マクロス ダイナマイト7'''』(マクロス ダイナマイトセブン)は[[1997年]]から[[1998年]]にかけて発売された[[OVA]]。[[SFアニメ]]『[[マクロス7]]』テレビシリーズの後日談にあたる作品。全4巻(各30分)。
 
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{{Infobox animanga/Header
 
|タイトル=マクロス ダイナマイト7
 
|ジャンル=[[サイエンス・フィクション|SF]]・[[ロボットアニメ]]
 
}}
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|タイトル=マクロス ダイナマイト7
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|原作=[[河森正治]]
 
|企画=大西良昌
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|シリーズ構成=河森正治
 
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|コピーライト=1997 ビックウエスト/<br />OVAマクロス7製作委員会
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|タイトル=マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート
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|作者=[[高山瑞穂]]
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|著者=[[飯野文彦]]
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『'''マクロス ダイナマイト7'''』(マクロス ダイナマイトセブン)は[[1997年]]から[[1998年]]にかけて発売された[[OVA]]。[[テレビアニメ]]『[[マクロス7]]』テレビシリーズの後日談にあたる作品。全4巻(各30分)。
   
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
テレビシリーズの人気をうけて2年後に制作されたオリジナルストーリー。[[ロードムービー]]調の展開で、[[ハーマン・メルヴィル]]の小説『[[白鯨]]』を思わせるテーマが描かれる。テレビのない辺境惑星という舞台設定で、架空のラジオ番組をBGMとして使う演出が特徴。主なスタッフ、キャストはテレビシリーズと共通で、作画監督[[新羽こういちろう]]が[[桂憲一郎]]に代わりキャラクターデザインを担当した。
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テレビシリーズの人気をうけて2年後に制作されたオリジナルストーリー。[[ロードムービー]]調の展開で、[[ハーマン・メルヴィル]]の小説『[[白鯨]]』を思わせるテーマが描かれる。テレビのない辺境惑星という舞台設定で、架空のラジオ番組をBGMとして使う演出が特徴。主なスタッフ、キャストはテレビシリーズと共通で、作画監督[[新羽こういちろう]]が[[桂憲一郎]]に代わりキャラクターデザインを担当した。このOVAがアニメ版の『マクロス7』としては最終作となった。
   
2007年11月24日から12月22日まで[[毎日放送]]「[[アニメシャワー]]」枠にて放映された(12月8日は特別番組放映のため休止)。
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2007年11月24日から12月22日まで[[毎日放送テレビ|毎日放送]]「[[アニメシャワー]]」枠にて放映された(12月8日は特別番組放映のため休止)。
   
 
== あらすじ ==
 
== あらすじ ==
{{ネタバレ}}
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{{ネタバレ|スキップ=作動}}
[[プロトデビルン]]戦から1年後も、航海を続ける[[マクロス7 (架空の兵器)|マクロス7]]。[[Fire Bomber]]は[[銀河系]]に轟くメジャーロックバンドとなったが、ボーカルの[[熱気バサラ]]は人気に辟易し、メンバーに黙って気の向くまま一人旅に出かける。訪れた先の辺境の惑星ゾラで武装集団と現地のパトロール隊との交戦に巻き込まれて負傷したバサラは現地人の少女エルマに助けられ、この惑星には「銀河クジラ」と呼ばれる謎の生命体が回遊してくること、武装集団がそのクジラの密を狙っていることを知らされる。エルマの父グラハムもまた妻マリアの敵を討つためクジラを狙っていた。バサラはクジラに歌を聞かせようと意気込んでマリアの形見である[[バルキリー (超時空要塞マクロス)|VT-1C]]に乗って宇宙へ飛び出し歌うが、群れを率いる白い銀河クジラが放つ衝撃波に機体を破壊されて宇宙空間に放り出される。エルマの姉でパトロール隊員のライザに間一髪で助けられたものの瀕死の重傷を負い、病院に収容される。
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[[プロトデビルン]]戦から1年後も、航海を続ける[[マクロス級超長距離移民船団|マクロス7]]。[[FIRE BOMBER|Fire Bomber]]は[[銀河系]]に轟くメジャーロックバンドとなったが、ボーカルの[[熱気バサラ]]は人気に辟易し、メンバーに黙って気の向くまま一人旅に出かける。訪れた先の辺境の惑星ゾラで武装集団と現地のパトロール隊との交戦に巻き込まれて負傷したバサラは現地人の少女エルマに助けられ、この惑星には「銀河クジラ」と呼ばれる謎の生命体が回遊してくること、武装集団(密漁団)がそのクジラの密を狙っていることを知らされる。エルマの父グラハムもまた妻マリアの敵を討つためクジラを狙っていた。バサラはクジラに歌を聞かせようと意気込んでマリアの形見である[[VF-1 バルキリー#劇場版|VT-1C]]に乗って宇宙へ飛び出し歌うが、群れを率いる白い銀河クジラが放つ衝撃波に機体を破壊されて宇宙空間に放り出される。
   
朦朧とする意識の中病院を抜け出したバサラはエルマに連れられ、どんな傷でも治るというゾラの秘湯に浸かる。歌っている最中に見たクジラのぎらつく目を思い起こしたバサラはたちどころに復活し、同じく傷を癒していたグラハムとともにクジラの墓場と呼ばれる遺跡にたどり着く。死にたくとも死ねず何百万年もの間群れを率い、仲間の死を見送り続けた白いクジラを自らの手で死に場所へ導くというグラハムに対し、クジラの目を見たバサラは、クジラは死など望んでいない、死を望んでいるのはグラハム自身だといい、改めてクジラに歌を聞かせることを決意する。エルマの家に戻ったバサラたちは、密漁団と武器密売人の交渉現場に潜入していたライザから密漁団が白いクジラを[[OTM#反応兵器(反応弾)|反応弾]]で消し去ろうとしていることを知らされる。バサラは一足先に宇宙へ飛び出したグラハムの後を追い、歌の力に着目した銀河クジラ研究者のローレンスによってスピーカーシステムを搭載された[[エクスカリバー (マクロスシリーズ)|VF-19P]]に乗って再び宇宙へと向かう
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エルマの姉でパトロール隊員のライザに間一髪で助けられるものの、瀕死の重傷を負ったバサラは治療室に収容される。朦朧とする意識の中治療室を抜け出したバサラはエルマに連れられ、どんな傷でも治るというゾラの秘湯に浸かる。歌っている最中に見たクジラのぎらつく目を思い起こしたバサラはたちどころに復活し、同じく傷を癒していたグラハムとともにクジラの墓場と呼ばれる場所にたどり着く。
{{ネタバレ終了}}
 
   
  +
バサラとグラハムは、墓場に描かれた古代人の記録からクジラの秘密を知る。死にたくとも死ねず、何百万年もの間群れを率い、仲間の死を見送り続けた白いクジラを自らの手で死に場所へ導くというグラハムに対し、バサラは死を望んでいるのはグラハム自身ではないかといい、改めてクジラに歌を聞かせることを決意する。グラハムの家に戻ったバサラたちは、密漁団と武器密売人の交渉現場に潜入していたライザから、密漁団が狩りの邪魔をする白いクジラを[[OTM#反応兵器(反応弾)|反応弾]]で消し去ろうとしていることを知らされる。
== 主要スタッフ ==
 
* 企画:大西良昌
 
* 原作・シリーズ構成・メカニックデザイン:[[河森正治]]
 
* 監督:[[アミノテツロー]]
 
* 脚本:[[富田祐弘]]
 
* キャラクター原案:[[美樹本晴彦]]
 
* キャラクターデザイン:新羽こういちろう
 
* プロダクションデザイン:[[宮武一貴]]
 
* 作画監督:新羽こういちろう
 
* メカ作監:伊藤浩二
 
* 美術:坂本信人(bic Studio)
 
* 撮影:白井久男
 
* 編集:田熊純
 
* 音響監督:本田保則
 
*音響効果:蔭山満([[フィズサウンドクリエイション]])
 
* OP/ED制作:[[ゴンゾ|GONZO]]
 
* 企画協力:[[スタジオぬえ]]
 
* 制作:[[プロダクション リード|葦プロダクション]]
 
* 製作:[[ビックウエスト]][[バンダイビジュアル]][[毎日放送]][[小学館]]
 
   
  +
バサラは一足先に宇宙へ飛び出したグラハムの後を追い、歌の力に着目した銀河クジラ研究者のローレンスによってスピーカーシステムを搭載された[[VF-19 エクスカリバー|VF-19P]]に乗って再び宇宙へと向かい、戦場の中クジラに向かって歌い続ける。放たれた反応弾をものともせず回遊するクジラは、ついにバサラの熱唱に応える。
== 使用曲 ==
 
; オープニングテーマ
 
:* 「DYNAMITE EXPLOSION」 作詞:古屋敏之 作曲:[[福山芳樹]] 編曲:ON-DO 歌:[[Fire Bomber]]
 
; エンディングテーマ
 
:* 「PARADE」 作詞:[[K.INOJO]] 作曲:川野義樹 編曲:ON-DO 歌:Fire Bomber
 
; 挿入歌
 
:* 「NEW FRONTIER」 作詞:石川雅敏 作曲:[[福山芳樹]] 編曲:ON-DO 歌:Fire Bomber
 
:* 「FEEL UNIVERSE」 作詞:高柳恋 作曲:Three Cat Night 編曲:中山弘 歌:Fire Bomber
 
:* 「GO(自由な唄)」 作詞:M.MEG 作曲:川野美紀 編曲:田中裕千 歌:Fire Bomber
 
:* 「恋のマホウ」 作詞:M.MEG 作曲:湯川とうべん 編曲:M.Project 歌:Fire Bomber
 
:* 「ANGEL VOICE」 作詞 : [[K.INOJO]] 作曲 : [[菅野よう子]] 編曲:菅野よう子 歌熱気バサラ([[福山芳樹]]
 
:* 「水のような愛のような」作詞:真名杏樹 作曲:川野美紀 編曲:上杉洋史 歌:マリア(川野美紀)
 
   
== 主キャスト ==
+
== 主な登場人物・キャスト ==
* [[熱気バサラ]] (声 - [[林延年]]、歌 - [[福山芳樹]])
+
* [[熱気バサラ]] (声 - [[神奈延年|林延年]]、歌 - [[福山芳樹]]) - FIRE BOMBERのボーカルとギターを担当。
* [[ミレーヌ・ジーナス]] (声 - [[櫻井智]]、歌 - [[チエ・カジウラ]])
+
* [[ミレーヌ・ジーナス]] (声 - [[櫻井智|桜井智]]、歌 - [[チエ・カジウラ]]) - FIRE BOMBERのボーカルとベースを担当。
* [[ガムリン木崎]] ([[子安武人]])
+
* [[ガムリン木崎]] ([[子安武人]]) - 統合軍ダイアモンドフォースの隊長。
* レイ・ラブロック ([[菅原正志]])
+
* レイ・ラブロック ([[菅原正志]]) - FIRE BOMBERのリーダー。キーボードを担当。
* ビヒーダ・フィーズ ([[高乃麗]]※本作では声なし)
+
* ビヒーダ・フィーズ ([[高乃麗]]※本作では声なし) - FIRE BOMBERのドラムスを担当。
   
* エルマ・ホイリー ([[阪口あや]])
+
* エルマ・ホイリー [[阪口あや]]) - 歌手志望のゾラ人少女。
* ライザ・ホイリー ([[岡本麻弥]])
+
* ライザ・ホイリー [[岡本麻弥]]) - エルマの姉。パトロール隊員。
* グラハム・ホイリー ([[中田譲治]])
+
* グラハム・ホイリー ([[中田譲治]]) - エルマ、ライザの父。元捕鯨職人。
* ローレンス ([[中原茂]])
+
* ローレンス ([[中原茂]]) - パトロール隊の科学者。
 
* パトロール隊隊長 ([[安井邦彦]])
 
* パトロール隊隊長 ([[安井邦彦]])
* カリバ ([[小杉十郎太]])
+
* カリバ ([[小杉十郎太]]) - 密漁団のリーダー。
   
詳細については[[マクロス7の登場人物一覧]]を、本作オリジナルの登場人物については同項目「[[マクロス7の登場人物一覧#『マクロス ダイナマイト7』の登場人物|『マクロス ダイナマイト7』の登場人物]]」の節を参照。
+
詳細については[[マクロス7の登場人物一覧]]を、本作オリジナルの登場人物については同項目「[[マクロス7の登場人物一覧#『マクロス ダイナマイト7』の登場人物|『マクロス ダイナマイト7』の登場人物]]」の節を参照。
   
== 登場兵器 ==
+
== 登場兵器・機械 ==
  +
=== 可変戦闘機 ===
* VT-1C [[バルキリー (超時空要塞マクロス)#型式|バルキリー]] (複座練習型バルキリーVT-1が民間に払い下げられたもの)
 
  +
; [[VF-1 バルキリー#劇場版|VT-1C オストリッチ]]
* VF-5000G スターミラージュ (惑星ゾラパトロール隊の主力機、複座練習型VF-5000T-Gも登場する)
 
  +
: 民生型バルキリー。複座練習型VT-1が民間に払い下げられたもの。グラハムの所にあった機体をバサラが使用。クジラ捕獲用の銛撃ち銃を持つ。
* VA-3C改 インベーダー (密漁団の主力機)
 
  +
; [[VF-5000 スターミラージュ|VF-5000G スターミラージュ]]
* VF-11C [[サンダーボルト (マクロスシリーズ)|サンダーボルト]]
 
  +
: 惑星ゾラパトロール隊の主力機。複座練習型VF-5000T-Gも登場する。新星インダストリー初の開発機で2010年後半時期では[[VF-4 ライトニングIII]]に代わる主力機であった。殺傷力のないショック弾仕様のミサイルランチャーを装備。
* VF-17D [[ナイトメア (マクロスシリーズ)|ナイトメア]]
 
  +
; [[可変戦闘機 (マクロスシリーズ)#可変攻撃機の機種一覧|VA-3C改 インベーダー]]
* VF-22S [[シュトゥルムフォーゲルII]]
 
  +
: 密漁団の主力可変攻撃機。クジラ捕獲用の銛撃ちガンポッドや、マイクロミサイル、腕に内蔵のパルスレーザーを装備。
* VF-19P [[エクスカリバー (マクロスシリーズ)|エクスカリバー]]
 
 
; [[VF-17 ナイトメア|VF-17D ナイトメア]]
* VF-11MAXL改 サンダーボルト(通称ミレーヌバルキリー)
 
  +
: 統合軍の特殊作戦機。ロスチャー商会の密売品のひとつ。
 
; [[VF-22 シュトゥルムフォーゲルII|VF-22S シュトゥルムフォーゲルII]]
  +
: ガムリン機。ダイアモンドフォース隊をイメージした黒のカラーリング。
 
; [[VF-19 エクスカリバー|VF-19P エクスカリバー]]
  +
: 惑星ゾラパトロール隊に1機のみ先行配備された導入評価試験用機。歌エネルギー変換型小型スピーカーシステム内蔵型。バサラが勝手に持ち出し、戦闘中に赤く染まる。
 
; VF-11MAXL改 サンダーボルト
  +
: 通称ミレーヌバルキリー。ミレーヌ専用機。
  +
  +
=== 艦船 ===
  +
; [[新マクロス級超長距離移民船団#マクロス7船団|マクロス7船団]]
  +
: バサラたちが住む第37次超長距離移民船団。
  +
; キャッチャーボート
  +
: グラハムの使う銀河クジラ捕獲用宇宙ボート。水上走行、大気圏内外の飛行が可能。船首には捕鯨銃が設置され、船首ボート部はクジラ追跡時に分離して高機動形態となる。
  +
; パトロール隊母艦
  +
; 密漁団母艦
  +
  +
== 用語 ==
  +
{{Main2|シリーズ共通の用語については「[[マクロスシリーズの用語一覧]]」を、『マクロス7』からの用語については「[[マクロス7#用語|マクロス7]]」を}}
  +
; 惑星ゾラ
  +
: 銀河系辺境の惑星。原住民族のゾラ人は地球文化圏に加わっているが、ラジオが主要メディアであるなど前時代的な雰囲気をもつ。年に一度周辺宙域に銀河クジラが出現するため、これを狙う密漁団とパトロール隊の衝突が続いている。この惑星に生息する動物の雄は子供を育てるための「袋」を有しており、劇中のラジオドラマ「ゾミオとゾリエット」によれば、ゾラ人もその例外ではないとされる。
  +
; ゾラ人
  +
: 惑星ゾラに暮らす原住民で、農耕や狩猟中心の素朴な暮らしを営んでいる。横に長く伸びた耳が特徴で、前髪と後ろ髪で色や質が異なっている。共生生命体キャットスネーキー(三つ目の蛇のような生き物)を首に巻いている。地球人とゾラ人とのファーストコンタクトがどのようなものであったのかは、作品中では描かれていない。
  +
: 『[[マクロスF]]』では、地球人と混血可能であるとされており、メインキャラクターの一人ミハエル・ブランはゾラ人の血を引いているという設定である。
  +
; 銀河クジラ
  +
: 宇宙を群遊する謎の巨大生命体で、生態に関する秘密が惑星ゾラに隠されている。クジラの中でもひときわ巨大な白い銀河クジラ(「白い奴」「白クジラ」)が群れを率いており、年に1回惑星ゾラ付近に回遊してくる。古代のゾラにおいては「バーラエナ」と呼ばれ、白いクジラは神として畏れられていた。銀河学会においては植物性の構造を持つ星間物質で構成されたエネルギー体であり、意思を持つ生命ではないと見なされてきた。設定画では「深読みすれば…」と前置きした上で[[ゼントラーディ人|ゼントラーディ軍]]の戦艦[[ゼントラーディ軍の兵器#4000m級 中型艦隊指揮用戦艦|ノプティ・バガニス]]のモデルになった可能性について言及している<ref>VHS/LD『マクロス ダイナマイト7 Volume.3 孤独 - LONESOME - 』ライナーノート。</ref>。
  +
; ゾミオとゾリエット
  +
: 惑星ゾラで放送されるラジオドラマ。[[新マクロス級超長距離移民船団#マクロス11船団|マクロス11]]出身で仕事のためゾラに住む男性ゾミオが使用人のゾラ人女性ゾリエットと関係を持ち、彼女と結婚してゾラに永住することを決意するが、ゾミオの腹には「袋がない」という理由で破局を迎え、すべてを失うという内容。
 
{{ネタバレ終了}}
  +
 
== 主要スタッフ ==
  +
* 企画 - 大西良昌
  +
* 原作・シリーズ構成・メカニックデザイン - [[河森正治]]
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* 監督 - [[アミノテツロー]]
 
* 脚本 - [[富田祐弘]]
 
* キャラクター原案 - [[美樹本晴彦]]
  +
* キャラクターデザイン - 新羽こういちろう
 
* プロダクションデザイン - [[宮武一貴]]
 
* 作画監督 - 新羽こういちろう
 
* メカ作監 - 伊藤浩二
 
* 美術 - 坂本信人(bic Studio)
 
* 撮影 - 白井久男
 
* 編集 - 田熊純
 
* 音響監督 - [[本田保則]]
 
*音響効果 - 蔭山満[[フィズサウンドクリエイション]]
 
* OP/ED制作 - [[ゴンゾ|GONZO]]
 
* 企画協力 - [[スタジオぬえ]]
  +
* 制作 - [[プロダクション リード|葦プロダクション]]
  +
* 製作 - [[ビックウエスト]]・[[バンダイビジュアル]]・[[毎日放送]]・[[小学館]]
  +
 
== 使用曲 ==
 
=== オープニングテーマ ===
 
* 「DYNAMITE EXPLOSION」 作詞 - 古屋敏之 作曲 - [[福山芳樹]] 編曲 - ON-DO 歌 - [[Fire Bomber]]
 
=== エンディングテーマ ===
 
* 「PARADE」 作詞 - [[K.INOJO]] 作曲 - 川野美紀 編曲 - ON-DO 歌 - Fire Bomber
 
=== 挿入歌 ===
 
* 「NEW FRONTIER」 作詞 - 石川雅敏 作曲 - 福山芳樹 編曲 - ON-DO 歌 - Fire Bomber
 
* 「FEEL UNIVERSE」 作詞 - [[高柳恋]] 作曲 - Three Cat Night 編曲 - 中山弘 歌 - Fire Bomber
  +
* 「WILD LIFE」 作詞 - K.INOJO 作曲 - [[飯塚昌明]] 編曲 - 中山弘 歌 - Fire Bomber
 
* 「GO(自由な唄)」 作詞 - M.MEG 作曲 - 川野美紀 編曲 - 田中裕千 歌 - Fire Bomber
 
* 「恋のマホウ」 作詞 - M.MEG 作曲 - [[湯川トーベン|湯川とうべん]] 編曲 - M.Project 歌 - Fire Bomber
 
* 「ANGEL VOICE」 作詞 - K.INOJO 作曲 - [[菅野よう子]] 編曲 - 菅野よう子 歌 - 熱気バサラ(福山芳樹)
 
* 「水のような愛のような」作詞 - 真名杏樹 作曲 - 川野美紀 編曲 - 上杉洋史 歌 - マリア(川野美紀)
   
 
== リリースデータ ==
 
== リリースデータ ==
* Volume.1 漂流 - WONDER - 』 1997年12月18日
+
* Volume.1 漂流 - WONDER - 』 1997年12月18日
* Volume.2 墓場 - CEMETERY - 』 1998年2月25日
+
* Volume.2 墓場 - CEMETERY - 』 1998年2月25日
* Volume.3 孤独 - LONESOME - 』 1998年5月25日
+
* Volume.3 孤独 - LONESOME - 』 1998年5月25日
* Volume.4 銀河クジラの歌う星 - ZOLA - 』 1998年7月25日
+
* Volume.4 銀河クジラの歌う星 - ZOLA - 』 1998年7月25日
   
 
== 関連作品 ==
 
== 関連作品 ==
 
=== マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート ===
 
=== マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート ===
 
{{漫画}}
 
{{漫画}}
『'''マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート'''』(マクロス ダイナマイトセブン ミレーヌビート)は、[[高山瑞穂]]の[[漫画]]作品。[[1997年]]から[[1998年]]まで『[[月刊少年エース]]増刊 [[エースダッシュ]]』誌上で連載された。全5話。単行本は[[角川書店]]より全1巻(ISBN 4-04-713231-4 1998年[[8月7日]]初版発行)が発売されている。
+
『'''マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート'''』(マクロス ダイナマイトセブン ミレーヌビート)は、[[高山瑞穂]]の[[漫画]]作品。[[1997年]]から[[1998年]]まで『[[月刊少年エース]]増刊 [[エースダッシュ]]』誌上で連載された。全5話。単行本は[[角川書店]]より全1巻(ISBN 4-04-713231-4 1998年[[8月7日]]初版)が発売されている。
   
『マクロス ダイナマイト7』のサイドストーリー。アニメ版の[[ヒロイン]]である[[ミレーヌ・ジーナス]]を[[主人公]]に据え、ソロ活動をすることになったミレーヌの心情と成長を描く。テレビ版同様[[マクロス7 (架空の兵器)|マクロス7]]船団を舞台としており、OVA本編にはまったく登場しないテレビ版のサブキャラクターも複数描かれている。
+
『マクロス ダイナマイト7』のサイドストーリー。アニメ版の[[ヒロイン]]である[[ミレーヌ・ジーナス]]を[[主人公]]に据え、ソロ活動をすることになったミレーヌの心情と成長を描く。テレビ版同様[[マクロス級超長距離移民船団|マクロス7]]船団を舞台としており、OVA本編にはまったく登場しないテレビ版のサブキャラクターも複数描かれている。
   
 
ストーリーはOVA版で描かれた一部のシーンとリンクする形で進められるが、終盤のシーンは大筋こそ変わらないものの独自のアレンジが加えられており、OVA版と完全にはリンクしていない。
 
ストーリーはOVA版で描かれた一部のシーンとリンクする形で進められるが、終盤のシーンは大筋こそ変わらないものの独自のアレンジが加えられており、OVA版と完全にはリンクしていない。
{{ネタバレ}}
 
   
 
==== あらすじ ====
 
==== あらすじ ====
 
{{ネタバレ}}
[[プロトデビルン]]との戦いを終えて1年後の[[西暦]][[2047年]]。銀河の中心へと向かい旅を続ける移民船団マクロス7では、復興を祝う「マクロス7復興祭」が盛大に執り行われていた。16歳となった[[FIRE BOMBER]]の[[ミレーヌ・ジーナス]]は、復興祭パーティの席で[[テレビプロデューサー]]のサザピーに、自分がメインボーカルである[[熱気バサラ]]と比べて、まったく脚光を浴びていないことを指摘される。当初は一顧だにしなかったミレーヌだが、後に街中でのファンの反応がサザーの指摘通りであることに愕然とする。ミレーヌはバサラと向き合うためサザピーの誘いを受け、一度限りという約束でアイドルグループ「ジャミング・エンジェルス」とユニットを組んで出演する。その裏ではミレーヌの歌の力を利用した計画がひそかに推し進められていた。
+
[[プロトデビルン]]との戦いを終えて1年後の[[西暦]][[2047年]]。銀河の中心へと向かい旅を続ける移民船団マクロス7では、復興を祝う「マクロス7復興祭」が盛大に執り行われていた。16歳となった[[FIRE BOMBER]]の[[ミレーヌ・ジーナス]]は、復興祭パーティの席で[[テレビプロデューサー]]のサザピーに、自分がメインボーカルである[[熱気バサラ]]と比べて、まったく脚光を浴びていないことを指摘される。当初は一顧だにしなかったミレーヌだが、後に街中でのファンの反応がサザーの指摘通りであることに愕然とする。ミレーヌはバサラと向き合うためサザピーの誘いを受け、一度限りという約束でアイドルグループ「ジャミング・エンジェルス」とユニットを組んで出演する。その裏ではミレーヌの歌の力を利用した計画がひそかに推し進められていた。
   
 
==== 登場兵器 ====
 
==== 登場兵器 ====
登場するのはVF-11MAXL改 [[サンダーボルト (マクロスシリーズ)|サンダーボルト]](ミレーヌバルキリー)、VF-17T改 [[ナイトメア (マクロスシリーズ)|ナイトメア]](ストームバルキリー)、VF-11D改 サンダーボルト(ジャミング・エンジェルス専用機)、VF-11C サンダーボルト、VF-22S [[シュトゥルムフォーゲルII]](ガムリン木崎機および[[ミリア・ファリーナ・ジーナス]]機)。VF-11MAXL改の[[エンテ型飛行機|カナード翼]]部分に「Fire Bomber」のロゴが入っているなど、若干の変更が見られる。
+
登場するのは[[VF-11 サンダーボルト|VF-11MAXL改 サンダーボルト]](ミレーヌバルキリー)、[[VF-17 ナイトメア|VF-17T改 ナイトメア]](ストームバルキリー)、VF-11D改 サンダーボルト(ジャミング・エンジェルス専用機)、VF-11C サンダーボルト、[[VF-22 シュトゥルムフォーゲルII|VF-22S シュトゥルムフォーゲルII]](ガムリン木崎機および[[ミリア・ファリーナ|ミリア・ファリーナ・ジーナス]]機)。VF-11MAXL改の[[エンテ型飛行機|カナード翼]]部分に「Fire Bomber」のロゴが入っているなど、若干の変更が見られる。
   
 
==== 用語 ====
 
==== 用語 ====
;ジャミング・エンジェルス
+
; ジャミング・エンジェルス
:サザピーが自身の関与するプロジェクトE(後述)のために結成した[[アイドル]]グループ。メンバーは統合軍の民間協力隊「ジャミングバーズ」の女性隊員「ジャミングガールズ」の3人。
+
: サザピーが自身の関与するプロジェクトE(後述)のために結成した[[アイドル]]グループ。メンバーは統合軍の民間協力隊「ジャミングバーズ」の女性隊員「ジャミングガールズ」の3人。
;プラズマシンクロシステム
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; プラズマシンクロシステム
:Dr.千葉がサウンドエナジー応用技術の開発中に偶然発見した副産物的な技術で、サウンドブースターから放射されたサウンドビームを[[オーロラ]]のように空間に投影するシステム。マクロス7復興祭の最後を飾る銀河花火大会の「[[花火]]」として使用され、観衆を楽しませる。
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: Dr.千葉がサウンドエナジー応用技術の開発中に偶然発見した副産物的な技術で、サウンドブースターから放射されたサウンドビームを[[オーロラ]]のように空間に投影するシステム。マクロス7復興祭の最後を飾る銀河花火大会の「[[花火]]」として使用され、観衆を楽しませる。
;プロジェクトE
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; プロジェクトE
:統合軍のバートン大佐が中心となって推進する極秘計画。1年前の[[バロータ戦役]]おいて採取したプロトデビルンの細胞サンプルを元に、プロトデビルンの器となった[[プロトカルチャー]]の[[生体兵器]]「エビル」を開発・量産化し、マクロス7に配備することが目的である(Eとはエビルの頭文字)。そのためには大量の生体エネルギー「スピリチア」の採取が必要となるため、統合軍訓練艦ビギンヒルに設置された「スピリチアアブソーブドアクチュエーター(SPIRITUA ABSORBED ACTUATER)」を用いて、FIRE BOMBERのライブで歌を聴きスピリチアを回復した観衆から密かにスピリチアを抜き取り、エビルを培養していた。
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: 統合軍のバートン大佐が中心となって推進する計画。1年前に採取したプロトデビルンの細胞サンプルを元に、プロトデビルンの器となった[[プロトカルチャー (マクロスシリーズ)|プロトカルチャー]]の[[生体兵器]]「エビル」を開発・量産化し、マクロス7に配備することが目的である(Eとはエビルの頭文字)。そのためには大量の生体エネルギー「スピリチア」の採取が必要となるため、統合軍訓練艦ビギンヒルに設置された「スピリチアアブソーブドアクチュエーター(SPIRITUA ABSORBED ACTUATER)」を用いて、FIRE BOMBERのライブで歌を聴きスピリチアを回復した観衆から密かにスピリチアを抜き取り、エビルを培養していた。
 
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=== 小説版 ===
 
=== 小説版 ===
*[[飯野文彦]] 『マクロス ダイナマイト7』上下巻 1999 - 2000年 角川書店 - ノベライズ作品。一部の展開が原作と異なっており、あとがきによれば[[パラレルワールド]]として位置づけられている。
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; [[飯野文彦]] 『マクロス ダイナマイト7』上下巻
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: 角川書店 1999 - 2000年 ISBN 978-4047016248(上巻) ISBN 978-4047016286(下巻)
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: ノベライズ作品。一部の展開が原作と異なっており、あとがきによれば[[パラレルワールド]]として位置づけられている。
   
=== ドラマCD ===
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*『RADIO FIRE!! ZZNKQB/ZORA』 [[ビクターエンタテインメント]] 1998年 - OVA作中でBGMとして使用された架空のラジオ番組「ゾミオとゾリエット」を収録
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[[ビクターエンタテインメント]]より発売
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* 『DYNAMITE EXPLOSION』(1997年12月17日発売)
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* 『DYNAMITE FIRE!!』(1998年1月21日発売)
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* 『ENGLISH FIRE!!』(1998年2月21日発売)
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* 『ZZNKQB ZORA RADIO FIRE!!』(1998年9月2日発売)
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; [[マクロスアルティメットフロンティア]]
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: 2009年10月1日発売。[[プレイステーション・ポータブル]]用のアクションシューティングゲーム。
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: プレイヤーは惑星ゾラのパトロール隊員となる。OVAを原作とした「漂流」「密漁団との攻防」「孤独」「銀河クジラの歌う星」とゲームオリジナルの「銀河パトロール隊訓練」の合計5つのミッションが収録されている。クロニクルモードでは熱気バサラとして銀河クジラに歌を聞かせる。
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== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
 
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* [http://www.macross.co.jp/ マクロス公式サイト]
 
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* [http://www.bigwest-ad.co.jp/service/contents/macross.html ビックウエスト・アドによるマクロスシリーズの紹介]
 
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2011年7月20日 (水) 01:25時点における最新版

マクロスシリーズ > マクロス7 > マクロス ダイナマイト7
マクロス ダイナマイト7
ジャンル SFロボットアニメ
OVA:マクロス ダイナマイト7
原作 河森正治
監督 アミノテツロー
シリーズ構成 河森正治
キャラクターデザイン 新羽こういちろう
メカニックデザイン 河森正治
アニメーション制作 葦プロダクション(本編)
GONZO(OP,ED)
製作 ビックウエスト
バンダイビジュアル
毎日放送
小学館
発表期間 1997年12月18日 - 1998年7月25日
話数 全4話
コピーライト表記 ©1997 ビックウエスト/
OVAマクロス7製作委員会
漫画:マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート
作者 高山瑞穂
出版社 角川書店
掲載誌 エースダッシュ
レーベル 角川コミックス・エース
発売日 1998年8月7日
発表期間 1997年 - 1998年
巻数 全1巻
話数 全5話
小説:マクロス ダイナマイト7
著者 飯野文彦
イラスト 高山瑞穂
出版社 角川書店
レーベル ニュータイプノベルズ
刊行期間 1999年 - 2000年
巻数 全2巻
テンプレート使用方法 ノート

テンプレート:ウィキプロジェクト アニメ

マクロス ダイナマイト7』(マクロス ダイナマイトセブン)は1997年から1998年にかけて発売されたOVAテレビアニメマクロス7』テレビシリーズの後日談にあたる作品。全4巻(各30分)。

概要[]

テレビシリーズの人気をうけて2年後に制作されたオリジナルストーリー。ロードムービー調の展開で、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』を思わせるテーマが描かれる。テレビのない辺境惑星という舞台設定で、架空のラジオ番組をBGMとして使う演出が特徴。主なスタッフ、キャストはテレビシリーズと共通で、作画監督新羽こういちろう桂憲一郎に代わりキャラクターデザインを担当した。このOVAがアニメ版の『マクロス7』としては最終作となった。

2007年11月24日から12月22日まで毎日放送アニメシャワー」枠にて放映された(12月8日は特別番組放映のため休止)。

あらすじ[]

テンプレート:ネタバレ プロトデビルン戦から1年後も、航海を続けるマクロス7Fire Bomber銀河系に轟くメジャーロックバンドとなったが、ボーカルの熱気バサラは人気に辟易し、メンバーに黙って気の向くまま一人旅に出かける。訪れた先の辺境の惑星ゾラで武装集団と現地のパトロール隊との交戦に巻き込まれて負傷したバサラは現地人の少女エルマに助けられ、この惑星には「銀河クジラ」と呼ばれる謎の生命体が回遊してくること、武装集団(密漁団)がそのクジラの密漁を狙っていることを知らされる。エルマの父グラハムもまた妻マリアの敵を討つためクジラを狙っていた。バサラはクジラに歌を聞かせようと意気込んでマリアの形見であるVT-1Cに乗って宇宙へ飛び出し歌うが、群れを率いる白い銀河クジラが放つ衝撃波に機体を破壊されて宇宙空間に放り出される。

エルマの姉でパトロール隊員のライザに間一髪で助けられるものの、瀕死の重傷を負ったバサラは治療室に収容される。朦朧とする意識の中治療室を抜け出したバサラはエルマに連れられ、どんな傷でも治るというゾラの秘湯に浸かる。歌っている最中に見たクジラのぎらつく目を思い起こしたバサラはたちどころに復活し、同じく傷を癒していたグラハムとともにクジラの墓場と呼ばれる場所にたどり着く。

バサラとグラハムは、墓場に描かれた古代人の記録からクジラの秘密を知る。死にたくとも死ねず、何百万年もの間群れを率い、仲間の死を見送り続けた白いクジラを自らの手で死に場所へ導くというグラハムに対し、バサラは死を望んでいるのはグラハム自身ではないかといい、改めてクジラに歌を聞かせることを決意する。グラハムの家に戻ったバサラたちは、密漁団と武器密売人の交渉現場に潜入していたライザから、密漁団が狩りの邪魔をする白いクジラを反応弾で消し去ろうとしていることを知らされる。

バサラは一足先に宇宙へ飛び出したグラハムの後を追い、歌の力に着目した銀河クジラ研究者のローレンスによってスピーカーシステムを搭載されたVF-19Pに乗って再び宇宙へと向かい、戦場の中クジラに向かって歌い続ける。放たれた反応弾をものともせず回遊するクジラは、ついにバサラの熱唱に応える。

主な登場人物・キャスト[]

  • エルマ・ホイリー (阪口あや) - 歌手志望のゾラ人少女。
  • ライザ・ホイリー (岡本麻弥) - エルマの姉。パトロール隊員。
  • グラハム・ホイリー (中田譲治) - エルマ、ライザの父。元捕鯨職人。
  • ローレンス (中原茂) - パトロール隊の科学者。
  • パトロール隊隊長 (安井邦彦
  • カリバ (小杉十郎太) - 密漁団のリーダー。

詳細については「マクロス7の登場人物一覧」を、本作オリジナルの登場人物については同項目「『マクロス ダイナマイト7』の登場人物」の節を参照。

登場兵器・機械[]

可変戦闘機[]

VT-1C オストリッチ
民生型バルキリー。複座練習型VT-1が民間に払い下げられたもの。グラハムの所にあった機体をバサラが使用。クジラ捕獲用の銛撃ち銃を持つ。
VF-5000G スターミラージュ
惑星ゾラパトロール隊の主力機。複座練習型VF-5000T-Gも登場する。新星インダストリー初の開発機で2010年後半時期ではVF-4 ライトニングIIIに代わる主力機であった。殺傷力のないショック弾仕様のミサイルランチャーを装備。
VA-3C改 インベーダー
密漁団の主力可変攻撃機。クジラ捕獲用の銛撃ちガンポッドや、マイクロミサイル、腕に内蔵のパルスレーザーを装備。
VF-17D ナイトメア
統合軍の特殊作戦機。ロスチャー商会の密売品のひとつ。
VF-22S シュトゥルムフォーゲルII
ガムリン機。ダイアモンドフォース隊をイメージした黒のカラーリング。
VF-19P エクスカリバー
惑星ゾラパトロール隊に1機のみ先行配備された導入評価試験用機。歌エネルギー変換型小型スピーカーシステム内蔵型。バサラが勝手に持ち出し、戦闘中に赤く染まる。
VF-11MAXL改 サンダーボルト
通称ミレーヌバルキリー。ミレーヌ専用機。

艦船[]

マクロス7船団
バサラたちが住む第37次超長距離移民船団。
キャッチャーボート
グラハムの使う銀河クジラ捕獲用宇宙ボート。水上走行、大気圏内外の飛行が可能。船首には捕鯨銃が設置され、船首ボート部はクジラ追跡時に分離して高機動形態となる。
パトロール隊母艦
密漁団母艦

用語[]

シリーズ共通の用語については「マクロスシリーズの用語一覧」を、『マクロス7』からの用語については「マクロス7」を参照

惑星ゾラ
銀河系辺境の惑星。原住民族のゾラ人は地球文化圏に加わっているが、ラジオが主要メディアであるなど前時代的な雰囲気をもつ。年に一度周辺宙域に銀河クジラが出現するため、これを狙う密漁団とパトロール隊の衝突が続いている。この惑星に生息する動物の雄は子供を育てるための「袋」を有しており、劇中のラジオドラマ「ゾミオとゾリエット」によれば、ゾラ人もその例外ではないとされる。
ゾラ人
惑星ゾラに暮らす原住民で、農耕や狩猟中心の素朴な暮らしを営んでいる。横に長く伸びた耳が特徴で、前髪と後ろ髪で色や質が異なっている。共生生命体キャットスネーキー(三つ目の蛇のような生き物)を首に巻いている。地球人とゾラ人とのファーストコンタクトがどのようなものであったのかは、作品中では描かれていない。
マクロスF』では、地球人と混血可能であるとされており、メインキャラクターの一人ミハエル・ブランはゾラ人の血を引いているという設定である。
銀河クジラ
宇宙を群遊する謎の巨大生命体で、生態に関する秘密が惑星ゾラに隠されている。クジラの中でもひときわ巨大な白い銀河クジラ(「白い奴」「白クジラ」)が群れを率いており、年に1回惑星ゾラ付近に回遊してくる。古代のゾラにおいては「バーラエナ」と呼ばれ、白いクジラは神として畏れられていた。銀河学会においては植物性の構造を持つ星間物質で構成されたエネルギー体であり、意思を持つ生命ではないと見なされてきた。設定画では「深読みすれば…」と前置きした上でゼントラーディ軍の戦艦ノプティ・バガニスのモデルになった可能性について言及している[1]
ゾミオとゾリエット
惑星ゾラで放送されるラジオドラマ。マクロス11出身で仕事のためゾラに住む男性ゾミオが使用人のゾラ人女性ゾリエットと関係を持ち、彼女と結婚してゾラに永住することを決意するが、ゾミオの腹には「袋がない」という理由で破局を迎え、すべてを失うという内容。

テンプレート:ネタバレ終了

主要スタッフ[]

使用曲[]

オープニングテーマ[]

  • 「DYNAMITE EXPLOSION」 作詞 - 古屋敏之 作曲 - 福山芳樹 編曲 - ON-DO 歌 - Fire Bomber

エンディングテーマ[]

  • 「PARADE」 作詞 - K.INOJO 作曲 - 川野美紀 編曲 - ON-DO 歌 - Fire Bomber

挿入歌[]

  • 「NEW FRONTIER」 作詞 - 石川雅敏 作曲 - 福山芳樹 編曲 - ON-DO 歌 - Fire Bomber
  • 「FEEL UNIVERSE」 作詞 - 高柳恋 作曲 - Three Cat Night 編曲 - 中山弘 歌 - Fire Bomber
  • 「WILD LIFE」 作詞 - K.INOJO 作曲 - 飯塚昌明 編曲 - 中山弘 歌 - Fire Bomber
  • 「GO(自由な唄)」 作詞 - M.MEG 作曲 - 川野美紀 編曲 - 田中裕千 歌 - Fire Bomber
  • 「恋のマホウ」 作詞 - M.MEG 作曲 - 湯川とうべん 編曲 - M.Project 歌 - Fire Bomber
  • 「ANGEL VOICE」 作詞 - K.INOJO 作曲 - 菅野よう子 編曲 - 菅野よう子 歌 - 熱気バサラ(福山芳樹)
  • 「水のような愛のような」作詞 - 真名杏樹 作曲 - 川野美紀 編曲 - 上杉洋史 歌 - マリア(川野美紀)

リリースデータ[]

  • 『Volume.1 漂流 - WONDER - 』 1997年12月18日
  • 『Volume.2 墓場 - CEMETERY - 』 1998年2月25日
  • 『Volume.3 孤独 - LONESOME - 』 1998年5月25日
  • 『Volume.4 銀河クジラの歌う星 - ZOLA - 』 1998年7月25日

関連作品[]

マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート[]

テンプレート:漫画マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート』(マクロス ダイナマイトセブン ミレーヌビート)は、高山瑞穂漫画作品。1997年から1998年まで『月刊少年エース増刊 エースダッシュ』誌上で連載された。全5話。単行本は角川書店より全1巻(ISBN 4-04-713231-4 1998年8月7日初版)が発売されている。

『マクロス ダイナマイト7』のサイドストーリー。アニメ版のヒロインであるミレーヌ・ジーナス主人公に据え、ソロ活動をすることになったミレーヌの心情と成長を描く。テレビ版同様マクロス7船団を舞台としており、OVA本編にはまったく登場しないテレビ版のサブキャラクターも複数描かれている。

ストーリーはOVA版で描かれた一部のシーンとリンクする形で進められるが、終盤のシーンは大筋こそ変わらないものの独自のアレンジが加えられており、OVA版と完全にはリンクしていない。

あらすじ[]

テンプレート:ネタバレ プロトデビルンとの戦いを終えて1年後の西暦2047年。銀河の中心へと向かい旅を続ける移民船団マクロス7では、復興を祝う「マクロス7復興祭」が盛大に執り行われていた。16歳となったFIRE BOMBERミレーヌ・ジーナスは、復興祭パーティの席でテレビプロデューサーのサザピーに、自分がメインボーカルである熱気バサラと比べて、まったく脚光を浴びていないことを指摘される。当初は一顧だにしなかったミレーヌだが、後に街中でのファンの反応がサザビーの指摘通りであることに愕然とする。ミレーヌはバサラと向き合うためサザピーの誘いを受け、一度限りという約束でアイドルグループ「ジャミング・エンジェルス」とユニットを組んで出演する。その裏ではミレーヌの歌の力を利用した計画がひそかに推し進められていた。

登場兵器[]

登場するのはVF-11MAXL改 サンダーボルト(ミレーヌバルキリー)、VF-17T改 ナイトメア(ストームバルキリー)、VF-11D改 サンダーボルト(ジャミング・エンジェルス専用機)、VF-11C サンダーボルト、VF-22S シュトゥルムフォーゲルII(ガムリン木崎機およびミリア・ファリーナ・ジーナス機)。VF-11MAXL改のカナード翼部分に「Fire Bomber」のロゴが入っているなど、若干の変更が見られる。

用語[]

ジャミング・エンジェルス
サザピーが自身の関与するプロジェクトE(後述)のために結成したアイドルグループ。メンバーは統合軍の民間協力隊「ジャミングバーズ」の女性隊員「ジャミングガールズ」の3人。
プラズマシンクロシステム
Dr.千葉がサウンドエナジー応用技術の開発中に偶然発見した副産物的な技術で、サウンドブースターから放射されたサウンドビームをオーロラのように空間に投影するシステム。マクロス7復興祭の最後を飾る銀河花火大会の「花火」として使用され、観衆を楽しませる。
プロジェクトE
統合軍のバートン大佐が中心となって推進する計画。1年前に採取したプロトデビルンの細胞サンプルを元に、プロトデビルンの器となったプロトカルチャー生体兵器「エビル」を開発・量産化し、マクロス7に配備することが目的である(Eとはエビルの頭文字)。そのためには大量の生体エネルギー「スピリチア」の採取が必要となるため、統合軍訓練艦ビギンヒルに設置された「スピリチアアブソーブドアクチュエーター(SPIRITUA ABSORBED ACTUATER)」を用いて、FIRE BOMBERのライブで歌を聴きスピリチアを回復した観衆から密かにスピリチアを抜き取り、エビルを培養していた。

テンプレート:ネタバレ終了

小説版[]

飯野文彦 『マクロス ダイナマイト7』上下巻
角川書店 1999 - 2000年 ISBN 978-4047016248(上巻) ISBN 978-4047016286(下巻)
ノベライズ作品。一部の展開が原作と異なっており、あとがきによればパラレルワールドとして位置づけられている。

CD[]

ビクターエンタテインメントより発売。

詳細はFIRE BOMBERを参照

シングル[]

  • 『DYNAMITE EXPLOSION』(1997年12月17日発売)

アルバム[]

  • 『DYNAMITE FIRE!!』(1998年1月21日発売)
  • 『ENGLISH FIRE!!』(1998年2月21日発売)
  • 『ZZNKQB ZORA RADIO FIRE!!』(1998年9月2日発売)

ゲーム[]

マクロスアルティメットフロンティア
2009年10月1日発売。プレイステーション・ポータブル用のアクションシューティングゲーム。
プレイヤーは惑星ゾラのパトロール隊員となる。OVAを原作とした「漂流」「密漁団との攻防」「孤独」「銀河クジラの歌う星」とゲームオリジナルの「銀河パトロール隊訓練」の合計5つのミッションが収録されている。クロニクルモードでは熱気バサラとして銀河クジラに歌を聞かせる。

脚注[]

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. VHS/LD『マクロス ダイナマイト7 Volume.3 孤独 - LONESOME - 』ライナーノート。

外部リンク[]

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