『マクロス ダイナマイト7』(マクロス ダイナマイトセブン)は1997年から1998年にかけて発売されたOVA。SFアニメ『マクロス7』テレビシリーズの後日談にあたる作品。全4巻(各30分)。
概要
テレビシリーズの人気をうけて2年後に制作されたオリジナルストーリー。ロードムービー調の展開で、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』を思わせるテーマが描かれる。テレビのない辺境惑星という舞台設定で、架空のラジオ番組をBGMとして使う演出が特徴。主なスタッフ、キャストはテレビシリーズと共通で、作画監督新羽こういちろうが桂憲一郎に代わりキャラクターデザインを担当した。
2007年11月24日から12月22日まで毎日放送「アニメシャワー」枠にて放映された(12月8日は特別番組放映のため休止)。
あらすじ
テンプレート:ネタバレ プロトデビルン戦から1年後も、航海を続けるマクロス7。Fire Bomberは銀河系に轟くメジャーロックバンドとなったが、ボーカルの熱気バサラは人気に辟易し、メンバーに黙って気の向くまま一人旅に出かける。訪れた先の辺境の惑星ゾラで武装集団と現地のパトロール隊との交戦に巻き込まれて負傷したバサラは現地人の少女エルマに助けられ、この惑星には「銀河クジラ」と呼ばれる謎の生命体が回遊してくること、武装集団がそのクジラの密猟を狙っていることを知らされる。エルマの父グラハムもまた妻マリアの敵を討つためクジラを狙っていた。バサラはクジラに歌を聞かせようと意気込んでマリアの形見であるVT-1Cに乗って宇宙へ飛び出し歌うが、群れを率いる白い銀河クジラが放つ衝撃波に機体を破壊されて宇宙空間に放り出される。エルマの姉でパトロール隊員のライザに間一髪で助けられたものの瀕死の重傷を負い、病院に収容される。
朦朧とする意識の中病院を抜け出したバサラはエルマに連れられ、どんな傷でも治るというゾラの秘湯に浸かる。歌っている最中に見たクジラのぎらつく目を思い起こしたバサラはたちどころに復活し、同じく傷を癒していたグラハムとともにクジラの墓場と呼ばれる遺跡にたどり着く。死にたくとも死ねず何百万年もの間群れを率い、仲間の死を見送り続けた白いクジラを自らの手で死に場所へ導くというグラハムに対し、クジラの目を見たバサラは、クジラは死など望んでいない、死を望んでいるのはグラハム自身だといい、改めてクジラに歌を聞かせることを決意する。エルマの家に戻ったバサラたちは、密漁団と武器密売人の交渉現場に潜入していたライザから密漁団が白いクジラを反応弾で消し去ろうとしていることを知らされる。バサラは一足先に宇宙へ飛び出したグラハムの後を追い、歌の力に着目した銀河クジラ研究者のローレンスによってスピーカーシステムを搭載されたVF-19Pに乗って再び宇宙へと向かう。 テンプレート:ネタバレ終了
主要スタッフ
- 企画:大西良昌
- 原作・シリーズ構成・メカニックデザイン:河森正治
- 監督:アミノテツロー
- 脚本:富田祐弘
- キャラクター原案:美樹本晴彦
- キャラクターデザイン:新羽こういちろう
- プロダクションデザイン:宮武一貴
- 作画監督:新羽こういちろう
- メカ作監:伊藤浩二
- 美術:坂本信人(bic Studio)
- 撮影:白井久男
- 編集:田熊純
- 音響監督:本田保則
- 音響効果:蔭山満(フィズサウンドクリエイション)
- OP/ED制作:GONZO
- 企画協力:スタジオぬえ
- 制作:葦プロダクション
- 製作:ビックウエスト・バンダイビジュアル・毎日放送・小学館
使用曲
- オープニングテーマ
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- 「DYNAMITE EXPLOSION」 作詞:古屋敏之 作曲:福山芳樹 編曲:ON-DO 歌:Fire Bomber
- エンディングテーマ
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- 「PARADE」 作詞:K.INOJO 作曲:川野義樹 編曲:ON-DO 歌:Fire Bomber
- 挿入歌
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- 「NEW FRONTIER」 作詞:石川雅敏 作曲:福山芳樹 編曲:ON-DO 歌:Fire Bomber
- 「FEEL UNIVERSE」 作詞:高柳恋 作曲:Three Cat Night 編曲:中山弘 歌:Fire Bomber
- 「GO(自由な唄)」 作詞:M.MEG 作曲:川野美紀 編曲:田中裕千 歌:Fire Bomber
- 「恋のマホウ」 作詞:M.MEG 作曲:湯川とうべん 編曲:M.Project 歌:Fire Bomber
- 「ANGEL VOICE」 作詞 : K.INOJO 作曲 : 菅野よう子 編曲:菅野よう子 歌:熱気バサラ(福山芳樹)
- 「水のような愛のような」作詞:真名杏樹 作曲:川野美紀 編曲:上杉洋史 歌:マリア(川野美紀)
主要キャスト
- 熱気バサラ (声 - 林延年、歌 - 福山芳樹)
- ミレーヌ・ジーナス (声 - 櫻井智、歌 - チエ・カジウラ)
- ガムリン木崎 (子安武人)
- レイ・ラブロック (菅原正志)
- ビヒーダ・フィーズ (高乃麗※本作では声なし)
- エルマ・ホイリー (阪口あや)
- ライザ・ホイリー (岡本麻弥)
- グラハム・ホイリー (中田譲治)
- ローレンス (中原茂)
- パトロール隊隊長 (安井邦彦)
- カリバ (小杉十郎太)
詳細についてはマクロス7の登場人物一覧を、本作オリジナルの登場人物については同項目「『マクロス ダイナマイト7』の登場人物」の節を参照。
登場兵器
- VT-1C バルキリー (複座練習型バルキリーVT-1が民間に払い下げられたもの)
- VF-5000G スターミラージュ (惑星ゾラパトロール隊の主力機、複座練習型VF-5000T-Gも登場する)
- VA-3C改 インベーダー (密漁団の主力機)
- VF-11C サンダーボルト
- VF-17D ナイトメア
- VF-22S シュトゥルムフォーゲルII
- VF-19P エクスカリバー
- VF-11MAXL改 サンダーボルト(通称ミレーヌバルキリー)
リリースデータ
- Volume.1 『漂流 - WONDER - 』 1997年12月18日
- Volume.2 『墓場 - CEMETERY - 』 1998年2月25日
- Volume.3 『孤独 - LONESOME - 』 1998年5月25日
- Volume.4 『銀河クジラの歌う星 - ZOLA - 』 1998年7月25日
関連作品
マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート
テンプレート:漫画 『マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート』(マクロス ダイナマイトセブン ミレーヌビート)は、高山瑞穂の漫画作品。1997年から1998年まで『月刊少年エース増刊 エースダッシュ』誌上で連載された。全5話。単行本は角川書店より全1巻(ISBN 4-04-713231-4 1998年8月7日初版発行)が発売されている。
『マクロス ダイナマイト7』のサイドストーリー。アニメ版のヒロインであるミレーヌ・ジーナスを主人公に据え、ソロ活動をすることになったミレーヌの心情と成長を描く。テレビ版同様マクロス7船団を舞台としており、OVA本編にはまったく登場しないテレビ版のサブキャラクターも複数描かれている。
ストーリーはOVA版で描かれた一部のシーンとリンクする形で進められるが、終盤のシーンは大筋こそ変わらないものの独自のアレンジが加えられており、OVA版と完全にはリンクしていない。 テンプレート:ネタバレ
あらすじ
プロトデビルンとの戦いを終えて1年後の西暦2047年。銀河の中心へと向かい旅を続ける移民船団マクロス7では、復興を祝う「マクロス7復興祭」が盛大に執り行われていた。16歳となったFIRE BOMBERのミレーヌ・ジーナスは、復興祭パーティの席でテレビプロデューサーのサザピーに、自分がメインボーカルである熱気バサラと比べて、まったく脚光を浴びていないことを指摘される。当初は一顧だにしなかったミレーヌだが、後に街中でのファンの反応がサザピーの指摘通りであることに愕然とする。ミレーヌはバサラと向き合うためサザピーの誘いを受け、一度限りという約束でアイドルグループ「ジャミング・エンジェルス」とユニットを組んで出演する。その裏ではミレーヌの歌の力を利用した計画がひそかに推し進められていた。
登場兵器
登場するのはVF-11MAXL改 サンダーボルト(ミレーヌバルキリー)、VF-17T改 ナイトメア(ストームバルキリー)、VF-11D改 サンダーボルト(ジャミング・エンジェルス専用機)、VF-11C サンダーボルト、VF-22S シュトゥルムフォーゲルII(ガムリン木崎機およびミリア・ファリーナ・ジーナス機)。VF-11MAXL改のカナード翼部分に「Fire Bomber」のロゴが入っているなど、若干の変更が見られる。
用語
- ジャミング・エンジェルス
- サザピーが自身の関与するプロジェクトE(後述)のために結成したアイドルグループ。メンバーは統合軍の民間協力部隊「ジャミングバーズ」の女性隊員「ジャミングガールズ」の3人。
- プラズマシンクロシステム
- Dr.千葉がサウンドエナジー応用技術の開発中に偶然発見した副産物的な技術で、サウンドブースターから放射されたサウンドビームをオーロラのように空間に投影するシステム。マクロス7復興祭の最後を飾る銀河花火大会の「花火」として使用され、観衆を楽しませる。
- プロジェクトE
- 統合軍のバートン大佐が中心となって推進する極秘計画。1年前のバロータ戦役において採取したプロトデビルンの細胞サンプルを元に、プロトデビルンの器となったプロトカルチャーの生体兵器「エビル」を開発・量産化し、マクロス7に配備することが目的である(Eとはエビルの頭文字)。そのためには大量の生体エネルギー「スピリチア」の採取が必要となるため、統合軍訓練艦ビギンヒルに設置された「スピリチアアブソーブドアクチュエーター(SPIRITUA ABSORBED ACTUATER)」を用いて、FIRE BOMBERのライブで歌を聴きスピリチアを回復した観衆から密かにスピリチアを抜き取り、エビルを培養していた。
テンプレート:ネタバレ終了
小説版
- 飯野文彦 『マクロス ダイナマイト7』上下巻 1999 - 2000年 角川書店 - ノベライズ作品。一部の展開が原作と異なっており、あとがきによればパラレルワールドとして位置づけられている。
ドラマCD
- 『RADIO FIRE!! ZZNKQB/ZORA』 ビクターエンタテインメント 1998年 - OVA作中でBGMとして使用された架空のラジオ番組「ゾミオとゾリエット」を収録。
外部リンク
テンプレート:前後番組
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テンプレート:Anime-stub fr:Macross Dynamite 7 it:Macross Dynamite 7