超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか | |
---|---|
監督 |
石黒昇 河森正治 |
脚本 | 富田祐弘 |
製作 |
大西良昌 吉田健二 |
出演者 |
飯島真理 長谷有洋 土井美加 |
音楽 | 羽田健太郎 |
主題歌 |
『愛・おぼえていますか』 飯島真理 |
撮影 | 橋本和典 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1984年7月21日 |
上映時間 | 115分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 4億円 |
allcinema | |
キネマ旬報 | |
AllRovi | |
IMDb | |
『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(ちょうじくうようさいマクロス あい・おぼえていますか)は、日本のSFアニメーション映画。テレビアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年 - 1983年放送)の劇場用作品である。
1984年7月21日(大阪・名古屋地区では7月7日)より東宝洋画系にて公開。総製作費は約4億円[1]、配給収入は7億円[2]。
概要[]
作品[]
テレビシリーズが好評を博したことから、劇場版製作とロードショー公開が決定。この例では続編(番外編)か総集編+新カットというケースが多いが、本作はテレビシリーズ第4話から27話までを再構成した上で全編新作フィルムで制作された。設定やデザインの変更、要点の抽出とオリジナルの味付けにより、テレビシリーズとは趣の異なる正統派の作風に仕上げられた。男女の恋愛や普遍的な文化(歌)を通して地球人や異星人たちが絆を結ぶ様を描き、「生まれも育ちもちがう複数の人物が、その差を乗り越えてひとつになり得るか[3]」というテーマを簡潔に語っている。
監督はスタジオぬえの河森正治と、アドバイザー役の石黒昇。当時24歳の河森はテレビシリーズでバルキリーのメカニックデザイナーとして注目されたが、本作で人物の細やかな心情表現など映像作家としての感性も示した。作画陣には美樹本晴彦、板野一郎、平野俊弘らテレビシリーズの作画監督に加え、若手の実力派アニメーターが参加している。
夏休み公開のアニメ映画としてはヒット作となり、リン・ミンメイ役の歌手飯島真理が歌う主題歌『愛・おぼえていますか』はオリコンチャート最高7位を記録。飯島は『ザ・ベストテン』『ザ・トップテン』といった人気歌番組に出演した。ビデオは1984年のオリコンビデオチャートにおいて、マイケル・ジャクソンの『スリラー』(輸入版)や『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』を抑えて年間1位を記録[4]。初期のビデオソフト市場におけるメジャーヒット作となった。
評価[]
テレビシリーズは斬新な感覚が支持されたものの、厳しい制作スケジュールゆえの限界、とりわけ作画面の乱調が評価を損ねる原因となった。制作スタッフはその悔いを晴らすべく、テレビシリーズの経験と若手アニメーター達の熱意を支えにクオリティーの向上を目指した。また、演出面でもテレビシリーズ第27話「愛は流れる」でみせた歌と映像を一体化する試みを追求した。
結果、スクリーン映えする緻密な画面造りは当時のセル制作アニメの最高水準となり、歌やBGMと一体化した展開は「SFミュージカル」とも評された。アニメ界においても『風の谷のナウシカ』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と並ぶ、1984年を代表するアニメ映画作品と賞されるようになった。
ただし、作中では戦争開始時の状況説明を省いているため、テレビシリーズの予備知識がない者にはマクロスが宇宙から地球を目指して航行している理由や、宇宙戦艦内に市街地がある理由などが解らず、独立した映画作品として鑑賞するには不都合な面もある。河森は「観客が設定に囚われず、物語の本質の人間ドラマに注目してもらえるよう、パターン的な説明描写はやめた[5]」と述べているが、スタジオぬえの先輩高千穂遙は「河森がテレビ版『マクロス』を見ていない一般観客を相手にした以上、その賭けは敗れたと見るほかはない[6]」と批評している。この序章部分については、のちに同名テレビゲームのオープニングムービーで補足されている(後述)。 美樹本の衣装デザインは実在のアイドル(中森明菜)や女性ファッション誌を参考にしているが、本職の女性スタイリストは「ミンメイの衣装が異常にダサかったのをみて、アニメーションの世界にも絶対スタイリストが必要なんだな、と思いました」と感想を述べた[7]。アニメ誌のインタビューでは、デート服のホットパンツやステージ衣装が15 - 16年前の女の子という感じがして[8]、現実の世界に近い未来の話と衣装のチグハグな感じが気になったのかも、と語っている[9]。
ストーリー[]
あらすじ[]
50万周期にわたり大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディ軍と女のメルトランディ軍。西暦2009年、その戦火は地球にも及び、ゼントラーディ軍の奇襲をうけた地球統合軍の巨大宇宙戦艦SDF-1マクロスは、脱出時の動力不調から太陽系外周部へ飛び出すこととなる。追撃をうけながら地球への自力帰還をめざす航海の5か月目、土星の衛星タイタン宙域から物語は始まる。
地球を離れる際避難した5万8千人の民間人は、広大な艦内に市街地を建設し生活を営んでいた。バルキリー隊パイロット一条輝はアイドル歌手リン・ミンメイや、上官早瀬未沙と近しい関係になっていく。そんなありふれた日常風景が、接触した巨人族たちの規律に思わぬ混乱を招くことになる。 テンプレート:ネタバレ
注釈[]
マクロスシリーズ中の位置付け[]
「巨大異星人同士の抗争に巻き込まれた人類(マクロス)」という骨格はテレビ版と変わらないが、2時間の映画にまとめあげる上で設定の大部分にアレンジが施されている。 映画予告編のナレーションでは「主演、リン・ミンメイ」「早瀬未沙、ゆれる女心を演じます」などアニメ世界内の映画(劇中劇)を思わせる演出がなされていた。
1990年代以降に製作された『マクロス7』などの続編作品内では、『愛・おぼえていますか』は「ゼントラーディ軍との第一次星間大戦(2009年 - 2010年)の戦勝20周年を記念して、2031年に公開された歴史映画」と位置付けられるようになった。これとは別に『超時空要塞マクロス』はシリーズドラマとしてテレビ放送されたもので、演出により描き方は異なるものの、両作品とも史実を題材にした物語であると説明されている。
『愛・おぼえていますか』が映画化された2031年当時は、人類の生活圏が銀河系全域に拡大した反面、植民惑星間の紛争やゼントラーディ人の武装蜂起が深刻化しつつあった。そのため撮影に全面協力した統合政府の意向で、先人が果たした「異星間交流」の意義をひろく再認識させたいというプロパガンダの意味合いも含まれている。公開後大ヒットした本作のメッセージは、14年後の2045年代を舞台とする『マクロス7』の登場人物の生き方にも影響を与え、ロックバンドFIRE BOMBERの活動に関係することになる。
テレビ版と劇場版の違い[]
河森監督は両作品の特徴について、テレビ版は「ドキュメンタリースタイルなのでわりと日常的に作られていて、史実にやや近いという想定」、劇場版は「2時間でコンパクトにまとめなくちゃいけないのでドラマ的な編集がなされているという設定」と答えている[10]。また、劇場版の「劇場」には映画館での公開だけでなく、「舞台劇」という意味も込められているという[11]。
おもな相違点について以下に記す。
- 巨大異星人の抗争図
- 第一次星間大戦
- テレビ版 - 期間は約1年(2009年2月から2010年3月)。マクロスとゼントラーディ軍が戦い監察軍は登場しない。地球はマクロス帰還後のゼントラーディ基幹艦隊との決戦で全滅する。
- 劇場版 - 期間は約7か月(2009年2月から9月)。マクロス・ゼントラーディ・メルトランディの三つ巴の戦い。地球はマクロス発進後間もなく全滅させられた設定となっている。
- マクロス
- 三角関係の構図
- テレビ版 - 一条輝とリン・ミンメイは最初は民間人。軍人とアイドル歌手という進路の違いで輝の片想いが消えていく一方、輝は同じ境遇の未沙と近しくなる。
- 劇場版 - 輝とミンメイは最初から軍人とアイドル歌手の関係で出会う。ミンメイの方から積極的にアプローチする形で惹かれ合うが、その後ミンメイが生死不明の間に地球で孤立した輝と未沙が愛し合うようになり、ミンメイの生還により明確に三角関係の構図が出来上がる。
- 人類の起源
- テレビ版 - 50万年前、地球に立ち寄ったプロトカルチャーの調査船が人類の祖先に遺伝子操作を行った(『マクロス7』制作当時の年表における設定)。
- 劇場版 - プロトカルチャーが男と女に分かれて戦争となり、都市宇宙船アルティラで地球に逃げ延びた人々が人類の祖先に遺伝子操作を行った。2万年前、この人々はアルティラを海底に隠して地球を離れた。
- その他
2003年発売のPS2用ゲーム『超時空要塞マクロス』ではプレイヤーの配属先として空母プロメテウスか宇宙空母アームド-01を選ぶことで、設定の異なるテレビ版と劇場版の2つのコースを体験できる。
幻のシーン[]
本作は当初1984年8月公開予定[1]だったが、先行上映が7月上旬に繰り上がったため制作スケジュールが削られた(制作期間は実質半年間である[12])。また、尺の問題もあり脚本や絵コンテでは予定されていたもののカットされたシーンがいくつかある。
本編終了後にはエンディングテーマ『天使の絵の具』に乗って終戦後のリン・ミンメイのコンサートシーンが映し出され、主人公たち3人の未来が明示されて終わるはずだったが、作画が見送られ、公開版では暗転した画面にスタッフロールが流れる形式であった。監督の河森正治は、後になって考えると、このエピローグがあると観客の想像の余地がなくなるとして、カットされて良かった面もあるとしながらも、制作したいという願望を述べていた[13]。
公開3年後の1987年、このコンサートシーンを映像化したOVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』が発売された。以後販売されたビデオ・LD・DVDソフトはエンディングの前半部分をOVAのコンサートシーン(「天使の絵の具 part1」)に差し替え、タイトルも『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 完全版』に変更している。2007年発売のHDリマスターDVDメモリアルボックスは「劇場公開版」と「完全版」のエンディング違いの2種類のディスクを収納している(劇場公開版は上映時のオリジナル音声を収録)。
他の幻のシーンとしては、最終決戦前のマクシミリアン・ジーナスとミリア639の結婚式がある(絵コンテ改稿段階でカット[14])。このシーンは『マクロス7』作中の回想シーンで新たに作画され、原画を美樹本晴彦が担当した。公開当時の雑誌・ムック本にはこれらの絵コンテやコスチュームデザインが掲載されているが、ミンメイのステージ衣装はOVA版よりもシンプルなデザインであった。
劇場版ストーリー[]
1997年発売のSS・PS用ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のオープニングムービーでは、テレビシリーズ第1話から3話のエピソードに相当する開戦時の状況が描かれている。この映像はDVD『マクロス20周年プレミアムコレクション』(2002年)や『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか HDリマスター メモリアルボックス』に収録されている。
「2009年2月、SDF-1マクロスの進宙式典が催されていた南アタリア島に、突如ゼントラーディ軍上陸部隊が奇襲を仕掛け、島民はマクロス艦内に避難する。支援のため洋上の空母プロメテウスからバルキリー隊が発進するが、直後に衛星軌道上からのビーム攻撃でプロメテウスが撃沈。母艦を失ったロイ・フォッカー指揮下の一条輝・マクシミリアン・ジーナス・柿崎速雄らスカル小隊は南アタリア島へ急行する。バルキリー隊と敵機動兵器の交戦中、マクロスは地上付近で緊急フォールドを敢行(テレビ版と異なり南アタリア島は巻きぞえで空間転移しない)。脱出直後、間一髪で島にビームの集中砲火が降り注ぐ。
マクロスは大爆撃から逃げ延びたが、フォールドシステムの誤作動で太陽系外周の冥王星付近まで飛ばされ、地球の安否も分からぬまま7か月の帰還航海の途に就く。艦内には長距離航海用の仮設居住空間があり、南アタリア島市民は市街地を建設して生活を始める。その街でリン・ミンメイはアイドル歌手としてデビューし、映画冒頭の5か月目にファーストコンサートを迎える。
また、一条輝らが行方不明になっていた1か月間にマクロスは土星から地球まで航海しているが、ゲーム内では木星付近でのゼントラーディ軍放棄戦艦の調査(敵の正体の判明)、火星サラ基地での物資補給、テレビシリーズのダイダロスアタックに代わるアームドアタックなどのイベントが設けられている。 テンプレート:ネタバレ終了
主要キャスト[]
地球側[]
- 一条輝(声:長谷有洋)
- リン・ミンメイ(飯島真理)
- 早瀬未沙(土井美加)
- ロイ・フォッカー(神谷明)
- クローディア・ラサール(小原乃梨子)
- 柿崎速雄(鈴木勝美)
- マクシミリアン・ジーナス(速水奨)
- ブルーノ・J・グローバル(羽佐間道夫)
- ヴァネッサ・レイアード(佐々木るん)
- キム・キャビロフ(鶴ひろみ)
- シャミー・ミリオム(深雪さなえ)
- リン・カイフン(鈴置洋孝)
ゼントラーディ側[]
- ブリタイ7018(蟹江栄司)
- エキセドル4970(大林隆介)
- カムジン03350(目黒裕一)
- ワレラ25258(ジェフリー・スミス)
- ロリー28356(藤井つとむ)
- コンダ88333(ケント・ギルバート)
- ゴル・ボドルザー(市川治)
メルトランディ側[]
メカニック[]
「超時空要塞マクロスの登場メカ一覧」および「ゼントラーディ軍の兵器」を参照
スタッフ[]
- 製作 - 大西良昌、吉田健二
- 原作 - スタジオぬえ
- 原作協力 - アートランド
- 脚本 - 富田祐弘
- スト-リー構成、脚色 - 河森正治
- キャラクターデザイン - 美樹本晴彦
- プロダクションデザイン - 宮武一貴
- メカニックデザイン協力 - 出渕裕、かがみあきら、原田則彦、石津泰志、河森正治
- 作画監督 - 美樹本晴彦、板野一郎、平野俊弘
- 作画監督補 - 島田英明、飯田史雄、垣野内成美、増尾昭一
- 原画 - 庵野秀明、青井清年、合田浩章、井口忠一、宇田川一彦、門上洋子、北久保弘之、木上益治、窪秀巳、斉藤格、西城隆詞、篠崎俊克、瀬谷新二、多賀一弘、高橋資祐、矢吹愛弓、中村孝、福島喜晴、藤高栄光、丸山政治、三坂徹、森川定美、森本晃司、本猪木浩明、山口宏、結城信輝、橋本とよ子、沢田早苗、浜崎博嗣、前田真澄、水村良男、菊池市松、村田充範、郷敏治、川又浩、吉田忠勝、窪詔之
- 美術監督 - 宮前光春
- カラーボード - 宮前光春、西田稔
- 美術監督補 - 本田修、佐藤広明
- 撮影監督 - 橋本和典
- 音楽 - 羽田健太郎
- 音響監督 - 本田保則
- 演出 - 秋山勝仁、笠原達也
- 制作協力 - アニメフレンド
- 企画、制作 - ビックウエスト、毎日放送、タツノコプロ、小学館
- 配給 - 東宝
- プロデューサー - 井上明、岩田弘、榎本恒幸
- 監督 - 石黒昇、河森正治
劇中使用曲[]
主題歌[]
詳細は愛・おぼえていますかを参照
エンディングテーマ[]
- 天使の絵の具
- 作詞作曲/飯島真理 編曲/清水信之 歌/飯島真理
- 飯島のセカンドアルバム「blanche」の収録曲(編曲:吉田美奈子)で、劇場版ではアップテンポにアレンジしたヴァージョンを使用した。『愛・おぼえていますか』のシングルB面に収録。
- この曲は飯島自らの曲の中でもっともバリエーションが多く、1995年発売のベスト盤「Best of the Best」収録版、1997年発売のシングル「Friends~時空を越えて~」C/W版=イーストウエスト・ジャパン発売盤に収録・1995年版のリミックス(以上編曲:飯島真理 & James Studer)、2002年発売のアルバム「Mari Iijima sings Lynn Minmay」収録版(編曲:飯島真理)でも、それぞれ違うバージョンで歌っている。
- また、1997年に桜井智が『マクロス・ジェネレーション』において同曲を、2009年に中島愛がシングル『ノスタルジア』C/W曲としてカヴァーしており、『愛・おぼえていますか』同様マクロスシリーズのヒロインを演じた声優ふたりがカバーしている。フランス人シンガーJessy(ジェシー)は2005年のアルバム「ジェシーのワンダーランド」で『愛・おぼえていますか』とともに日本語でカヴァーしている。
挿入歌[]
「リン・ミンメイ#歌唱曲」を参照
関連メディア[]
映像[]
映像ソフトはビデオ(VHS、ベータマックス)、VHD、LD、DVDが発売されている。DVDの初版はLDジャケットサイズ仕様。2007年発売のHDリマスター版は通常版のほか、劇場公開版ディスク・特典映像ディスク・設定集・絵コンテ集・すかいらーくのマクロスフェアグッズ(復刻版)などを同梱したメモリアルボックスが限定生産された。このHDリマスター版では彩色ミス(色パカ)のカットが修正されている[15]。
日本国外では1987年に北米輸出用の英語吹替え版ビデオ『SUPER SPACEFORTRESS MACROSS』が発売された。また、アメリカのファミリー・エンタテインメント社からも『Clash of Bionoids』の英題で発売されたが、暴力的・性的とみなされる表現(人物の頭が砕けるシーンやミンメイのシャワーシーン)が全面的に削除された。
音楽[]
シングル[]
- 愛・おぼえていますか
- 1984年6月5日、ビクター音楽産業より発売。オリコン最高7位を記録。
アルバム[]
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか オリジナルサウンドトラック《音楽編》
- 1984年7月21日、ビクター音楽産業より発売。オリコン最高9位を記録。羽田健太郎作曲・指揮、ヘルシーウイングオーケストラ演奏のBGM12曲と『愛・おぼえていますか』『天使の絵の具』を収録している。映画本編では未使用のBGMも含まれる。なお、映画本編では演出効果に合わせて多少ミックスダウンを施している。
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか オリジナルサウンドトラック《ドラマ編》
- 1984年7月21日、ビクター音楽産業発売。
- 組曲マクロス
- 1984年9月21日、ビクター音楽産業より発売。輝と未沙の関係をイメージした企画アルバム。羽田健太郎作曲・指揮、ヘルシーウイングオーケストラ演奏のオリジナルスコア9曲で構成される。
小説[]
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
- 富田祐弘著、1984年、小学館刊。
- 基本構成は映画と同じだが、一条輝と早瀬未沙が対立から結ばれていく過程を中心に描いている。輝と未沙は地球ではなくどこかの未開惑星にたどりつき、マクロスが最終決戦前にこの星から脱出しようとする時点で話が終わるなど、オリジナルに近い内容である。
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか ポストカードブック
- 1984年、秋田書店刊。
- 富田祐弘の脚本原本を収録。テレビアニメ版の印象的なエピソードをつなげた構成になっている。『愛・おぼえていますか』の歌詞プレートを、未沙とミンメイが協力して解読する点などが脚本と異なる。
ゲーム[]
- 超時空要塞マクロス
- ファミリーコンピュータ用テレビゲーム。1985年、ナムコ/バンダイ発売。
- 超時空要塞マクロス
- アーケードゲーム。1992年、バンプレスト。
- 超時空要塞マクロス スクランブルバルキリー
- スーパーファミコン用テレビゲーム。1993年、ザムス/バンプレスト発売。
- 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
- セガサターン用テレビゲーム。1997年、バンダイビジュアル発売。1999年にプレイステーション用に移植。
- 超時空要塞マクロス
- プレイステーション2用テレビゲーム。 2003年、バンダイ発売。
詳細はマクロスシリーズ (ゲーム)を参照
その他[]
- アフレコに外国人エキストラが参加し、ブリッジオペレーターの交信[16]、艦内アナウンス、繁華街のモブシーンで英語・スペイン語などの音声を担当した。また、プロモーションの一環として、当時テレビ番組『世界まるごとHOWマッチ!!』の回答者として人気者だった弁護士ケント・ギルバートがコンダ88333役に起用された。ワレラ25258役のジェフリー・スミスはギルバートの同業者である。
- 劇場公開時、ファミリーレストランチェーンすかいらーくグループが抽選でバッジやパズルが当たるタイアップ企画「マクロスフェア」を催した。マクロスグッズの詰め合わせ袋も販売したが、店内のグッズにはすかいらーくマークが入っているのに対し、一般販売のグッズには「マクロス(MACROSS)1984」と入っている。また、テレビCMでは映画の場面と『愛・おぼえていますか』の曲に乗せて、リン・ミンメイ(飯島真理)の「味・おぼえていますか」なる台詞が付けられた。なお、同社はかなり後年のCMでも同曲を使用している。
- 作画スタッフのお遊びとして、ボドルザー艦内で輝のバルキリーから一斉発射されるミサイルの中にサントリータコハイとバドワイザービールの缶が混じって飛んでいる(通称「タコハイミサイル」「バドワイザーミサイル」)。のちにやまとから発売された1/48バルキリー玩具のスーパーパックセットには、これを再現した缶ラベルのシールが付属していた。
- アメリカで放送された『ロボテック』は日本製アニメ人気の火付け役となったが、ファンは『超時空要塞マクロス』『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』という別々の原作があることを知らなかった。日本から輸入された雑誌に出ているミンメイがテレビとは違う服を着ていることを疑問に思い、それがきっかけでマクロスの映画の存在を知ったという[17]。
- 1990年代はじめにアメリカから本作の実写特撮リメイクが持ちかけられ、これを契機に国内外で「マクロス4大プロジェクト」が発表された[18]。このうち『マクロスプラス』(OVA・劇場版)と『マクロス7』は実現したが、ハリウッド実写版だけは実現しなかった。
他作品における引用[]
- ケロロ軍曹 - 第146話サブタイトル「冥 おぼえていますか? であります」(※本編はパロディではない)
- バンブーブレード - 第7話の劇中アニメ「マグロス 鯵・おぼえていますか」
- ギャラクシーエンジェル - ゲーム版最終話は本作品をモチーフとし、第1作においては歌も飯島真理が担当した。
- ヴァンドレッド - 男女種族の抗争という企画原案に本作品が影響している。
- アベノ橋魔法☆商店街 - 第3話にロイ・フォッカーのミサイル乱射シーンへのオマージュがある[19]。
- 涼宮ハルヒの憂鬱 - 第12話『エンドレスエイト』でキョンが自転車に乗ってロケット花火を乱射し、柿崎の名を叫ぶ(板野サーカスを参照)。
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 製作発表記者会見より。『アニメージュ』1983年12月号、徳間書店、1983年、26頁。
- ↑ 『キネマ旬報』2月下旬決算特別号、キネマ旬報社、1985年、119頁。
- ↑ 河森正治、美樹本晴彦、片桐卓也 『おぼえていますか』、徳間書店アニメージュ文庫、1985年、109頁。
- ↑ 『コンフィデンス』1985年1月7日号、オリコン、1985年、106頁。
- ↑ 「愛・みえましたかBOOK」『アニメージュ』1984年10月号付録。
- ↑ 『キネマ旬報』1984年10月上旬号、157頁。
- ↑ 「おんなの午後」『サンデー毎日』9月9日号、毎日新聞社、1984年。
- ↑ ホットパンツが最初に流行したのは1970年代初め。1990年代以降はカジュアルファッションとして復活している。
- ↑ 「日本のトップ・スタイリスト・高橋靖子さんが見た『マクロス』のミンメイ・ファッション」『アニメージュ』1984年12月号、52頁。
- ↑ 「『マクロスの証言』 河森正治インタビュー」『メガミマガジン クリエイターズ』Vol.11、学習研究社、2008年、8頁。
- ↑ 『EX大衆』2006年5月号、双葉社、116頁。
- ↑ 『BSアニメ夜話 Vol.4 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』、キネマ旬報社、2007年、91頁。
- ↑ 「ぜひ制作したい幻のエピローグ 映画『マクロス』監督 河森正治」『アニメージュ』1984年1月号、88頁。
- ↑ 『劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか ストーリー&絵コンテ』、小学館、1984年、167 - 168頁。
- ↑ 土星リング内で輸送船に飛び込んだロイ・フォッカー機のコクピットカバーの色を黄色から黒に修正。
- ↑ 「セクションごとに使用言語が分けられている」というマルチリンガル設定から。
- ↑ 『アニメージュ』1987年3月号、95頁。
- ↑ 「マクロスメディア年代記」『B-CLUB』Vol.107、バンダイ出版、15頁。
- ↑ WEBアニメスタイル アニメの作画を語ろう ガイナックス若手アニメーター紹介(1)
関連項目[]
- 劇中劇 - メタフィクション
- プロトカルチャー (マクロスシリーズ)
- リリー・マルレーン
外部リンク[]
|
このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事は超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかにあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。 |