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VF-25 メサイア(ブイエフ・にじゅうご メサイア / Messiah)は、テレビアニメマクロスF』、アニメーション映画劇場版 マクロスF』およびその関連作品に登場する架空の兵器

マクロスシリーズ」の主要な兵器である、ファイター(航空機)・ガウォーク(中間形態)・バトロイド(人型)への三段変形機構を持つ可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)シリーズの一つ。愛称(ペットネーム)の「メサイア」は、ユダヤ教キリスト教などで語り伝えられる「救世主」に由来する。プラモデルなどの玩具商品では、「メサイアバルキリー(Messiah Valkyrie)」と表記される。

メカニックデザインは、河森正治が実在の戦闘機F-14 トムキャット」と「Su-27 フランカー」をモチーフに行った。

概要 編集

主人公早乙女アルトら主要人物達が搭乗する最新鋭機として活躍する。統合軍(新統合軍)の所属機である従来作品のVFとは異なり[1]民間軍事会社に評価試験を兼ねて配備されているという設定を持つ[2]

原点回帰という作品コンセプトから、機体デザインはマクロスシリーズの第一作『超時空要塞マクロス』より登場するVF-1 バルキリーを踏襲しているが、シルエットはより大型かつ曲線的な形状となり、変形方法も大幅に変更されている。機体の頭部形状やカラーリングは、VF-1の各バリエーションやパーソナルカラー機を踏襲することで、パイロットごとの個性を出している(マクロスF#メカニックを参照)。他のVFシリーズと同様に、スーパーパックやアーマードパックといった追加オプション装備も並行してデザインされた。なお、劇中では「スーパーパック」「アーマードパック」とされている[3]が、プラモデルやDX超合金などの玩具では「スーパーパーツ」「アーマードパーツ」と呼称されている。更に従来のVFにはない設定として、バトロイド形態限定装備で変形時に排除する必要があったアーマードパックを装着したままで変形できるようになっている。また『劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』では、新設定装備であるトルネードパック(トルネードパーツ)が登場する。

「メサイア」はテレビ版放映中に『マクロスF』公式サイトでの一般公募で採用された愛称で、劇中の台詞として登場するのは劇場版からであり、テレビ版では可変戦闘機の代名詞である「バルキリー」、または「VF-25」と呼称される。メサイアという単語は、『超時空要塞マクロス』の劇中でリン・ミンメイが歌う「小白竜(シャオ・パイ・ロン)」の歌詞にも使われており、これが公募での選考理由の一つともなった。

放送終了後もバンダイなどからプラモデル超合金フィギュアといった関連商品が順次発売され、『マクロスエースフロンティア』などの関連ゲームにも登場している。なお、バンダイから発売されている商品の名が「メサイアバルキリー」であることから、各オプションパックが付属する派生商品の名は、その装備の名称を冠し「○○メサイアバルキリー」と表記される。

機体解説 編集

機体諸元
VF-25/MF25 メサイア
設計・製造 新星インダストリー
(YF-24 エボリューションをベースとして開発、S.M.S配備機は
新星MF工廠/L.A.I社共同による独自改修型)
全長 ファイター:18.72m
全幅 ファイター:15.50m(主翼展開時)
全高 ファイター:4.03m(主脚含まず)
バトロイド:14.53m(頭部レーザー機銃含め15.59m)
空虚重量 8,450kg
エンジン (主機)新星/P&W/RR ステージ II  熱核バースト反応タービン FF-3001A×2
(副機)P&W高機動バーニアスラスター HMM-9
他、スラスト・リバーサー、3D機動ノズルを装備
エンジン推力 (主機)1,620KN+×2(宇宙空間瞬間最大推力)
最高速度 M5.0+(高度10,000mにおける耐熱限界速度、
ノーマル仕様のまま衛星軌道上に進出可能)
ISC ISC/T021(新星MF工廠/L.A.I社共同による独自開発仕様、
設計最大荷重27.5Gでの加減速機動を120秒間維持可能)
乗員 1+1名(※後部座席展開時)
攻撃兵装 マウラーROV 217C 12.7mmレーザー機銃
(S型×4、F型×2、G型×1、RVF型は無し)
ラミントンES-25A 25mm高速機関砲×2
マウラーROV-25 25mmビーム機関砲×2
(ES-25AとROV-25は選択式、片方1基ずつの混成装備も可能)
ガーバー・オーテックAK/VF-M9 アサルトナイフ×1
ハワードGU-17A 58mmガンポッド×1
(後に対バジュラ用MDE弾頭対応型のGU-17Vに改良)
SSL-9B ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフル×1
(基本的にG型専用)
防御兵装 防弾シールド×1(左腕に装備)
エネルギー転換装甲SWGAシステム一式
ピンポイントバリアシステム一式
アクティブステルスシステム一式
チャフ・フレアー・スモークディスチャージャーシステム一式
選択装備 新中州SPS-25S/MF25 スーパーパック
新星APS-25A/MF25 アーマードパック
トルネードパック
フォールドブースター
スーパーフォールドブースター
フォールドスピーカー

VF-171 ナイトメアプラスに替わる、第25次新マクロス級超長距離移民船団「マクロス・フロンティア」の新統合護衛軍主力機として開発された機体。試作機「YF-24 エボリューション」の設計データを基に「YF-25 プロフェシー」が完成、次いで新星マクロス・フロンティア工廠と総合機械メーカーL.A.I社共同による設計修正を加え製造された。なお、途中からマクロス・オリンピアYF-26の開発を停止してYF-25の共同開発おこなわれている。そのためか他船団製のYF-24系列機との区別を付けるため、正式な型式番号はマクロス・フロンティア製を表す「MF25」を末尾に加えVF-25/MF25と表記される。


原型機の初飛行は西暦2057年6月24日[4]。フロンティア船団では2059年に評価試験が開始されたが、政治的理由から新統合軍に先んじて民間軍事プロバイダー「S.M.S」に30機以上が優先配備され、予備機を除いた20機以上が稼働している。

ノーマル状態での成層圏往還能力や、ピンポイントバリアシステム、アクティブステルスといった2040年のAVF計画以降の仕様要求を全て満たしつつ、新開発されたステージII熱核タービンエンジンの大出力によって、従来の最高水準機であるVF-19 エクスカリバーVF-22 シュトゥルムフォーゲルIIを凌ぎ、無人戦闘機ゴースト」シリーズに匹敵する機動性を得ている。また、VF-19・VF-22で問題視されたパイロットへの多大なG負荷を軽減すべく、脱出用の飛行パワードスーツを兼ねたインターフェイス「EX(エクス)-ギア」や、フォールド技術を用いた慣性制御システム「ISC」を標準装備している。

ファイター形態の形状はVF-1 バルキリーを髣髴とさせるが、バトロイドへの変形は胸部となる中央ブロックが機首に、主翼・尾翼と背面で構成されるブロックがキャノピーに覆い被り背面を構成する。これはVF-19にも見られる方式だが、ストレーキが胸部ブロックと機首を連結する支柱となる、VF-19ではコクピットが胸部に収納されるのに対してVF-25では腰部にコクピットが位置する、など異なる点も多い。脚部のズボン折り返しのような物体はスラストリバーサーである。コクピットは通常単座だが、後部に補助用の副操縦席が収納されており、必要に応じて展開し複座となる。後に脚部にマイクロミサイルを収納できるスペースを確保する設計改良が施されている機体も生産されており、先行的に量産をされている機体にもその部品を使用し改良された。


ISC 編集

正式名称「Inertia Store Converter(慣性蓄積コンバーター)」。YF-24やその系列機に初めて搭載された新機軸の慣性制御装置。基本原理はフォールドシステムの応用形で、コクピット周辺に生じた機動慣性を異次元空間に一時待機させ、少しずつ通常空間に還元することで瞬間的な慣性負荷からパイロットを保護する。これを可能とするのが宇宙生命体「バジュラ」の体内から抽出した特殊鉱石「フォールドクォーツ」であり、ISCのみならず次世代のフォールド技術の要として大きな期待が寄せられている。ただし、システムの容量を超えた慣性は待機出来ず(VF-25の場合は最大機動時で120秒間)、使用タイミングの見極めにはパイロット自身の高い判断力が求められ、見極め失敗時はパイロットに多大な危険が及ぶ可能性がある。また、フォールドクォーツ自体が希少かつ調達が困難な物質であるため、製造コストの高騰化と調達可能な機体数の制限に繋がる欠点もあり、機体の安定供給を行う上での課題となっている。

そのために廉価版量産ISCには純度の高い人工フォールドカーボン(フォールドクォーツの純度が低い物質をフォールドカーボンと言い、人が作り出したフォールドカーボンは人工フォールドカーボンという。)を代替として使用されるが、フォールドクォーツを使用したISCより性能は低い。

後述される「ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-25メサイア」によると、戦闘中に蓄積された慣性負荷の還元が、不完全のまま戦闘が終了して母艦や基地に帰還した場合、機体と搭乗パイロットは「解凍」と呼ばれる待機状態が必要であるとされる。

兵装・オプション 編集

AK/VF-M9 アサルトナイフ
左腕シールド内に格納される超硬合金製ナイフ。製造元はガーバー・オーテック社で全長は1.65m。バトロイドでの格闘戦の他、救命活動用のツールとしても使用される。刀身自体の強度に加え、表面にPPBを展開することで戦艦の装甲をも容易に切断する。
SSL-9B ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフル
通常のガンポッドに代わりG型が装備する精密狙撃用ライフル。弾頭を炸薬と電磁力の二段加速によって超高速射出する。銃身周囲にスタビライザー状の開閉式モーメントバランサーを8基設置し、20km先の目標に対し誤差10cm以内という命中精度を誇る。使用弾種は55mm超高速徹甲弾SP-55X。後に対バジュラ用のMDE(マイクロ・ディメンション・イーター)仕様に改良される。
SPS-25S/MF25 スーパーパック
大気圏外活動用の高機動オプション。大型化学ロケットブースターや増槽、マイクロミサイルランチャーなど基本的な構成は従来VFと共通しているが、VF-25では新たに各部の装甲を強化した簡易アーマード的な機能も追加されている。マイクロミサイルランチャーユニットは戦況に応じて交換が可能で、ビームキャノンや反応弾ランチャーなどのオプション装備が存在する。従来機では背負う様に装着されていたメインブースターユニットは主翼基部に挟み込む形でマウントされる。惑星大気圏突入時には、切り離された各パーツが1つに結合し軌道上に一時待機、惑星離脱後の再装着が可能となっている(その際、装着する機体が元々その装備を解除・待機させた機体と同一でなくても使用は可能)。また推進剤を一定量消費し、かつミサイルを全弾撃ち尽くした総重量の軽い状態なら、瞬間的に機体設計限界強度の倍となる30G近い加速度を得られる。
APS-25A/MF25 アーマードパック
火力、防御力の強化を目的とした重装オプション。火力の面では全身の増加装甲内外に、小口径ビーム機銃、近接攻撃用マイクロミサイル多連装ポッド、高初速ロケット弾連装ランチャー、速射ビーム旋回砲塔といった多彩な火器を装備する。また、ブースター側面に反応弾などの大型ミサイルを片方2発ずつ懸架可能。これらは高性能AIシステムで全自動制御され、敵味方が入り乱れる乱戦下でも敵機のみを正確に捕捉し、かつ最適なタイミングでの攻撃を行える。装甲内部には大容量のキャパシターを内蔵されており、全火器の稼動と同時に、全形態でエネルギー転換装甲の展開が可能となっている。機首ブロックの装甲パーツ(APS-25A/P-011)も用意されていたが、S.M.Sによる性能評価試験においては近接戦闘における有視界操縦性の確保や脱出にかかる時間の短縮を目的に省略された。
また、従来機では変形時にユニットを除装する必要があったが、本機用のそれは各可動部位に干渉しないよう設計されており、装着したままでの3段変形が可能となっている。主翼にはスーパーパックと同型の化学ロケットエンジンを内蔵するブースターユニットを装備。装備の重量ゆえ機動性、運動性はノーマル時とほぼ同程度に過ぎないが、その分燃費の改善による最大行動時間の延伸が図られている。非常に高価で扱いも難しい装備のため、S.M.Sでは基本的に小隊長クラスの機体にのみ装着が許される。
AP-SF-01+ イージスパック改
背部レドーム、底部(バトロイド時は左腕シールド裏)スタビライザーフィンで構成される、RVF型専用の電子戦装備。ヒューズ社製追加装備パックをベースに、L.A.I社による対バジュラ用改修が施されている。フォールドクォーツを中枢に用い、フォールド波により目標を探知し、超光速の索敵活動が可能。大気圏外ではレドーム外縁が一部展開し、最大約1光日もの範囲をリアルタイム索敵する。その能力は同時に2048の目標を識別し、128の目標に対してミサイルなどの攻撃兵器を誘導可能[5]
S.M.Sスカル小隊のルカ・アンジェローニ機に装備されたユニットは管制誘導プログラムが改編されており、スーパーパック左主翼ブースター先端に設置されたフォールド通信誘導システム(イージスパックはスーパーパックを非装備時でもゴーストを管制する能力を持つ。)によって、最大6機(通常は3機)のQF-4000 ゴーストを同時管制誘導する。
トルネードパック
『劇場版』のみに登場。大気圏内外両用のスーパーパーツ。従来のオプションよりも空力を重視した形状になっている。主翼はカバーで完全に覆われる形となるが、基部に姿勢制御用バーニア、翼端に前方に推力を向けての急減速も行える回転式の双発エンジンポッドを左右に1基ずつ装備している。機体背面には旋回式連装ビーム砲を装備し、ファイター・ガウォーク形態では機首両脇に前方へと突出、バトロイド形態では後頭部横から砲身を前方に向ける形を取る。パワーコンデンサー部は後部に尻尾のように伸長する。大気圏外活動時は、翼下に大型マイクロミサイルポッド、左右翼端のエンジンポッド先端にマイクロミサイルポッドを各2基ずつ装着する。
アーマード以上に高価な装備であり、劇場版でアルト機に装着が許可された理由は、シェリルがS.M.Sのスポンサーについたことと、初陣のアルトを気遣ったオズマの判断によるものとのこと[6]YF-29 デュランダルの技術実証とデータ収集のために開発されたと設定されている[7]サヨナラノツバサ公開中!DX超合金YF-29も登場の河森監督INTERVIEW:2
フォールドスピーカー
主翼パイロンに装備されるスピーカーユニット。音声をフォールド波に変換し、到達距離を延長させる。ガリア4にてスカル小隊のミハエル・ブラン機がランカ・リーの歌を流すのに使用する。映像を空中に投影する投影機も同時に付けられている。ガリア4でランカのライブ映像を空中に投影している。
フォールドブースター

OTM#フォールド航法」を参照

バリエーション 編集

YF-25 プロフェシー
YF-24から発展した直系の試作機。愛称の「プロフェシー」は「預言」を意味する。L.A.I社の主導で数機が製造され、変形機構やEX-ギアなどの各種試験が行われた、試験終了後はEX-ギアでの操作を兼ねた機種転換訓練機として使用されている。
VF-25とは異なり後部座席もEX-ギア対応の複座式コクピットを採用しており、キャノピーも前後に長い形状となっている。頭部の前後にある複合センサーは大型の透明クリアーシールドで覆われ、左側に小口径レーザー機銃・右側に通信アンテナを装備するため左右非対称の形状を持つ。非武装機だが、ガンポッドや機銃の装備は可能となっている。機体色はオレンジをベースに白・黒・青の各職で塗り分けられている。
当初は映像メディアには登場せず、ファミリーマート限定のプラモデルとして『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』の前売り券とのセットで2009年9月に発売されたが、2010年10月に発売された『イツワリノウタヒメ』のBlu-ray/DVD版の追加カットや、Blu-ray版収録のPS3用ゲーム『マクロストライアルフロンティア』には登場する。『マクロストライアングルフロンティア』では、VF-25用の各種オプションが装備可能となっている。
マクロス・ザ・ライド』では無人戦闘機の遠隔操縦なども可能で、後のRVF-25に近い機能を有する。超高機動ミサイルのハッキングを可能な程にプロフェシーは電子戦能力が優秀という設定が新たに付加されている。
VF-25A[8]
一般機。VF-1Aを髣髴とさせる頭部の単眼式カメラと1門のレーザー機銃が特徴。カラーリングもVF-1Aの一般機と同様のサンドブラウンとなっている。S.M.Sではスカル小隊以外の隊員が搭乗する。
VF-25F
A型をベースによりドッグファイト向きに最適化された機体である。長機を担う事が多いために安定性も高い性能や航行モードも同時に備える。性能頭部モニターカメラは横一面式のゴーグル型。レーザー機銃は両耳部に計2門を装備。ドッグファイトでの囮役も担うために機体の性能(高推力エンジン、高ロールレート、推力偏向機構など)の性能を上げ、ミサイル性能やその火器管制・照準装置の性能(高機動ミサイル、オフ・ボアサイト能力、HMDなど)の性能も上げている。
VF-25G
長距離狙撃型。頭部はA型と同形状だが、メインカメラに超望遠機能が追加されている。専用スナイパーライフルに、EX-ギア用の射撃支援システムと精密射撃時の機体固定用アンカーなどを一括したガンナーキットで構成される、スナイパーパックを標準装備する。性能的には編隊を組んだ際には長機の護衛や支援にも長けている。
VF-25S
指揮官用のスペシャルチューン仕様。頭部カメラは横三面式。頭部レーザー機銃は歴代指揮官用VFの伝統に則り連装2基、計4門を装備。VF-25F以上の性能やエンジン出力強化などの総合面での強化が行われ、更に大多数(大隊、戦隊)の編隊指揮用の支援プログラムが導入されている。
RVF-25
AP-SF-01+ イージスパック改を標準装備した電子戦型。戦闘空域の情報収集や索敵、分析を役割とする早期警戒管制機の役目も担う。多数の高性能センサーを凝集した卵型の頭部が特徴。レーザー機銃は持たず、代わりにH型のセンサーアンテナを装備する。フォールド通信誘導システムを用いた最大6機のゴーストの遠隔操作機能を持つ(前出)。

商品展開 編集

価格表示はいずれも税抜き。

プラモデル 編集

バンダイホビー事業部より発売。

1/72スケール 可変キットシリーズ 編集

一部パーツ差し替えの変形プラスチックモデル。対象年齢は15歳以上で、価格は4500円から。当初は1/100スケールでの商品化が検討されていたが、充分な強度を維持しつつ変形機構を組み込むにはサイズが小さ過ぎたため、実在する戦闘機のプラモデルと共通の国際スケールである1/72に変更された経緯がある[9]

2008年9月下旬に、第一弾キットであるVF-25F(アルト機)が発売。これを皮切りに、劇中で各パイロットが搭乗するパーソナル機や、スーパーパーツ・アーマードパーツ装備付きの派生商品、または追加パーツ自体の単品発売、S.M.Sのマークをあしらった展示用アクションベース(アーマードパーツ仕様には標準で付属)などが展開されている。各商品には、機体のラインマーキングやその他の色分けを再現したマーキングシールと水転写式デカールの2種類が同梱されている(スーパーパックとゴーストはデカールのみ)。

これらの一般流通品以外にも、バンダイプロショップ限定品として「クリアメサイアバルキリー」が発売された。これは河森正治総監督の熱望で実現された商品で、外装パーツのランナーをクリアー(透明)素材で成形することで、完成後の内部フレームの鑑賞が可能となっている。またファミリーマートのネットショッピングサイト、ファミマ・ドット・コムでは、試作機「YF-25プロフェシー」が2009年11月21日公開の『劇場版マクロスF』の前売り券付きキットとして販売された。キット内容はデザインが異なる頭部・機首の新規パーツと成型色の変更、専用のマーキングシール及び水転写式デカールが付属している。また、箱絵はダブルパッケージ仕様で背面にも箱絵が描かれている。

商品開発はマクロスF本放送開始以前の2007年11月頃から企画を開始、約1年を掛けて行われた。河森が監修に参加し、アニメでは省略されていたディテールを新たに書き起こし、立体化にあたってはアニメの製作元であるサテライトよりモデリングデータを借り、自社CADと河森が作成したレゴブロックの変形機構サンプルを用いた上で ガンプラで培ったノウハウを投入し、接着剤不要のスナップフィット(はめ込み式)でありながら、どの形態でも良好なプロポーションとクリアランスぎりぎりの複雑な3形態変形を完全再現した。ただし、マニピュレーター(手首)は差し換え、シールドは取り付け位置を変更する時にアタッチメントを介して接続するなど、完全とはいえない部分もある。

監修した河森は「特にファイターのプロポーションが素晴らしい」と自賛している。これはファイターの意匠を優先するために、アニメと変形方法を変えてまで脚部ベントラルフィンの形状を優先しているためである。スタイルをしっかり固定するためのロック機構を、外部パーツではなく見えない内部に用いて外装の余分な突起物を廃し、また中間形態であるガウォーク独特の逆関節(鳥脚)になる脚部も、人間で言う膝関節とは別に逆関節用パーツを設け、劇中の見た目通りを再現している。バトロイドでも腕部や脚部に引き出し関節[10]を多用し手足の可動部分を多くしている。

その反面、複雑な変形や可動の再現のためにパーツ数が多く、またプラスチックという素材の脆弱さから、扱いが悪いとパーツが破損する恐れがある[11]。また、スーパーパック・アーマードパック装備で組み立てた場合、該当する増加パーツが一体化されて成型されている部品が多く劇中や完成品トイの様に増加パックのみの着脱は再現できない面もある。[12]

  • 参考文献:フィギュア王Vol.130(ワ-ルドフォトプレス社刊)・モデルグラフィックス2009年10月号(大日本絵画社刊)
  • ランカ・リー役を演じた中島愛もVF-25Fを組み立て、完成品をブログで公開している。
  • 2009年11月には、一部フレームパーツを流用した姉妹機「1/72 VF-27γ ルシファーバルキリー ブレラ機」が発売された。

デカルチャー・デカール 編集

劇中には登場しないオリジナルデザインのデカール。各機体のパイロットと関係の深い女性キャラクターのイラストが大きく描かれているのが特徴。貼り付けることでアニメの彩色設定とは異なる痛車のようなオリジナルデコレーションの機体に仕上げることができる。当初は関連イベント用の限定キットや販促用グッズとして販売・配布されていたが、後にデザイン変更やキャラクターを増やした形で一般販売されている。

VF-25F メサイアバルキリー アルト機(ホビーショー物販版)
2008年10月に開催された第48回全日本模型ホビーショーにて会場でVF-25Fを購入すると配布されていた、事実上の第一弾。グリーンと黒のストライプにランカのイラストが特徴で以降のランカVer.はこのデザインを基準に発展させた物となっている。ホビーショウ以外でも同年に行われた関連イベントの物販アイテムとしても販売されていた。
キャンペーン第1弾 シェリル・ノームVer.
ピンクと黒のストライプにシェリルのイラスト(銀河歌姫来艦のキービジュアル)などのデカール。2009年1月下旬に開始されたキャンペーンで期間中にメサイアバルキリーを購入した場合の特典として配布されていた。ファイター形状の背面全体を用いるデザインのため、他の形態でのデザインバランスは考慮されていない。
キャンペーン第2弾 ランカ・リーVer.
ホビーショウ物販版を発展させた感じのデザインで、ケーニッヒモンスターのノーズアート・オオサンショウウオさん・娘娘のイラストなどのデカールが特徴。2009年3月に開始されたキャンペーンで、期間中にVF-25Fまたは、スーパーメサイアを購入した場合の特典として配布されていた。
キャンペーン第3弾 キャサリン・グラスVer.
イエローにピンクのストライプにキャシーのイラスト(オリジナルのノーズアート版)、『突撃ラブハート』の文字などのデカール。2009年6月13日に開始されたキャンペーンで、期間中に「アーマードメサイアバルキリー オズマ機」を購入した場合の特典として配布されていた。
キャンペーン第3弾 シェリル・ノームVer.
ピンクとブルーのストライプにシェリルのイラスト(シェリルの宇宙兄弟舟の表紙イラスト版)・軍服コスチュームのシェリルイラストなどのデカール。2009年6月27日に開始されたキャンペーンで、期間中にアーマードメサイアバルキリーアルト機を購入した場合の特典として配布されていた。
VF-25G メサイアバルキリー ミシェル機 クランデカルチャーデカールVer.
ピンクとホワイトのストライプにクランのイラスト(オリジナルのノーズアート版)・ゼントラ文字によるクラン・クランなどのデカールが付属するVF-25Gの派生商品。2009年9月12日に発売された。
VF-25F メサイアバルキリー アルト機 ランカデカルチャーデカールVer.
グリーンと黒のストライプにランカのイラスト(オリジナルのノーズアート版でキャンペーン第2弾のものとは異なる)・超時空シンデレラの文字などのデカールが付属するVF-25Fの派生商品。2009年9月12日に発売された。

1/100スケール ファイターモードシリーズ 編集

ファイター形態固定の非変形モデルとすることで、パーツ点数の大幅な削減と低価格を実現したシリーズ。価格は1200円から。先に発売された「YF-29 デュランダルバルキリー」3種を第一弾として、ノーマル装備のVF-25F(アルト機)が2011年4月22日に発売。同年6月にはシェリル、7月にはランカのデカルチャーデカール版キットの発売も予定されている。

DX超合金シリーズ 編集

バンダイコレクターズ事業部から発売された完成品トイ。プラモデルとの差異は「機首が短い」「脚部エンジンブロックが、ファイター形態では機体上面から露出しない」「全体的なプロポーションが短め」「バトロイド時の肩のラインなどが堅め」「後付けパーツ用のジョイント穴があり、増加パーツの着脱が可能」「ラインやマーキングが変形時の擦れに強いタンポ印刷である」など。またアルト機およびオズマ機発売当時にスーパーパーツが開発されていなかった経緯などから当該機専用のスーパーパーツ、およびアルト機用のアーマードパーツは「魂ウェブ商店」の限定販売となっている(後にアルト機のみカラーリングが変更されたセットとして一般販売された)。

後に、2011年6月に同ブランドで発売された「YF-29 デュランダルバルキリー」の技術をフィードバックし、問題視されていたプロポーションや各ギミックを練り直したリニューアルVer.の商品化が発表された。第一弾として、2011年10月にノーマル仕様のVF-25F(アルト機)が発売予定。価格は14,000円。なお、旧商品の各オプションパーツの装着は不可能となっている。

各種商品については魂ウェブサイトを参照。

VF100's 編集

(ブイエフハンドレッズ)

歴代マクロスシリーズに登場するVFシリーズを、100分の1スケールで再現したアクションフィギュアシリーズ。2009年より発売。一部差し替えながら三段変形を実現している。アルト機・オズマ機・ミシェル機・アーマードメサイアバルキリーのほか劇中未登場のオリジナルバリエーションも存在する。

VF-25Fm メサイアバルキリー(ファミリーマートVer.)
西暦2059年、全銀河100万店舗を達成したコンビニエンスストアチェーンのファミリーマートが記念して製作したグッズという設定。VF-25Fアルト機と同一形状だが、ファミリーマートのイメージカラーである白地にライトグリーンと水色のストライプのカラーリングで、「Family Mart」のロゴも入っている。ファミリーマートとバンダイのタイアップで2009年11月に限定発売された。
発売当初はアニメには登場しないオリジナル設定の機体とのことだったが『イツワリノウタヒメ』の「ダイナム超合金のシーン」では他のVF-25の模型と共に登場している。

マクロスファイターコレクション 編集

バンダイから発売されている、1/250スケールのファイター形態固定のコレクションフィギュア。ブラインドボックス仕様で購入して開封するまで何が入っているかは分からない。VF-25のF型・S型・G型・RVF-25・スーパーパック装備・アーマードパック装備のほか、シークレットとして女性キャラクターのイラストがペイントされたデカルチャーバージョンが存在する。RVF-25のデカルチャーバージョンは本シリーズのみのオリジナルで、松浦ナナセのイラストが描かれている。

関連書籍 編集

ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-25メサイア 編集

2011年5月2日ソフトバンククリエイティブ刊。編集・製作GA Graphic編集部。

副題は「新たなる救世主」。VFシリーズが実在したらという想定で書かれた架空の航空専門書でVF-1・成層圏の翼、VF-19・聖剣の軌跡、VF-1・宇宙の翼に続くヴァリアブルファイター・マスターファイルシリーズ第4弾として刊行。2065年のマクロス・オリンピア船団で刊行されたという設定[13]で開発の歴史、武装、オプションパック、バリエーションなどが詳細に記述されている。筆者は千葉昌宏、二宮茂幸、岡部いさく、大里元、橋村空。
従来のマスター・ファイル同様「公式設定」ではないと断り書きがされている。

バリエーション機 編集

以下、本書オリジナルのバリエーション機。

VF-25B
複座型。VF-25Aの機種転換訓練用。VF-25は遠隔操作による操縦バックアップシステムが開発されたため、訓練用複座型の計画自体が廃案となった。
VF-25C
標準型。性能はA型とほぼ同じだが、データリンク用にリンク12システムを搭載しており、頭部のレーザー砲塔の左右に小型のアンテナが追加されている。
VF-25D
複座型。VF-25Cの機種転換訓練用。B型同様に計画そのものが廃案となった。
VF-25E
強襲型。アーマードパックを標準装備して運用することを前提にセットアップされており、S型と同様のデータリンクシステムにより広範囲の攻撃目標への同時攻撃が可能。頭部はF型をベースにしているが、頭頂部にROV-127Cレーザー砲塔が追加され、計3門のレーザー砲塔を搭載している。
VF-25ES
F型を原型とするE型派生機の一種で、様々な仮想敵機の動きをシミュレートできる。マクロス・オリンピア船団のS.M.S.のアグレッサーに採用されている。
VF-25VJ バジュラ・アグレッサー
教導機。対バジュラ戦闘訓練用の「バジュラ・アグレッサー」。頭部のビーム砲塔ROV-127Cの外見は大型バジュラのものに似せてあり、カラーリングもバジュラに似せて赤あるいは白に塗られている。フロンティア船団では4機がこの仕様として運用されたが、問題が生じたため、結局元の仕様に戻されている。
VRF-25F リコンメサイア
偵察型。威力偵察用の仕様で、敵の攻撃に晒される可能性が高いことからエネルギー転換装甲の強度は通常のVF-25の2倍に設定されている。
VC-25V VIPメサイア
要人護送型。ファイター形態固定で変形機構・固定武装は廃止されており、最大10人の要人を護送できるようになっている。ISCも高出力タイプが搭載されている。
VEF-25E ウォーニングメサイア
早期警戒型。背面には大型のレドームを搭載している。
VF-25WR ワイバーン
複葉偵察型。VF-25に複葉機型の追加パックを搭載したタイプ。計画のみで中止され、2型として継続される。初出は『マクロスエース』に掲載された「非公式×機メカトロニクス」。
VF-25WR ワイバーン2型
特殊偵察型。上記ワイバーンが追加パックの投棄を前提としていたため廃案となり、新たに提案された2型。バジュラ母星の偵察用に開発されていたが、最終的には中止されている。

脚注 編集

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  1. マクロス7』の主役機であるVF-19改は、表向きは主人公の個人所有機だが、裏では軍がデータ収集目的で保守整備を行っているという設定である。
  2. 評価試験自体は軍から委託されたものであり、軍の影響を全く受けていないわけではない。また物語の進行により、一部の機体やそのパイロットは新統合軍に正式に編入される。
  3. BD「マクロスF」2巻付属ブックレットP12-13
  4. 実施された場所については、惑星エデンのラグランジュポイント上にある新星の工場コロニーL2と、M55 NGC6909球状星団内の惑星メサイア025の二つの説がある
  5. 多数の目標にミサイルなどの飛翔攻撃兵器を誘導する「イージスシステム」の名称はRCA社(現ロッキード・マーティン社)の開発した商品名である(『世界の艦船』2006年12月号)。このため商業上でのこの名の無断使用は商標権侵害の可能性があるが、イージスパック改の識別・誘導システムの名称が「イージスシステム」であるかどうかは不明。
  6. 『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜 公式ガイド PERFECT TRIANGLE』角川書店、2009年、73頁。
  7. もともとは大気圏内用に高運動をさせるために開発されたパックであるが、砲塔が邪魔して空気抵抗が強いと言われている。エンジンを6発も付けているが砲塔の空気抵抗のためにエネルギーロスが激しい。それを嫌い、あえて攻撃力は下がるが砲塔や砲塔にエネルギーを貯めておくパワーコンデンサーを外してトルネードパックを使用する者もいた。
  8. 月刊ホビージャパン』2009年11月号、181頁にてVF-25Aとの記載あり。またゲーム『マクロストライアルフロンティア』、『マクロストライアングルフロンティア』でもVF-25Aとされている。
  9. 2009年5月に開催された静岡ホビーショウでは、1/48スケールが商品化未定で参考出品されている。
  10. 収納状態から可動部分を引き出すことで動く範囲を広げるようにしたもの。最近のガンプラでも肩の動く範囲を広げるために用いることが多い。
  11. モデルグラフィックス誌2009年10月号に掲載された開発担当者のコメントでは、形態を固定して製作することが推奨されている。
  12. スーパーパック単品で購入した場合、組立てには別売りのメサイアバルキリーのキットを用意するようにとの注意書きがある。
  13. GA Graphic


テンプレート:Anime-stubzh:VF-25彌賽亞
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