ケルカリア(QUEL-QUALLIE)は、SFアニメ作品『超時空要塞マクロス』に登場する、架空の兵器。ゼントラーディ軍が使用する、司令部偵察ポッドである。これを「強行偵察艇」とする資料もあるが、ゼントラーディ軍において「艇(ボート)」とはフォールド航法が可能なものを指し、これが不能なものを大雑把に「ポッド」と総称するため、後者に分類される。
第一次星間戦争当時の統合軍側コードネームは「バッグアイ」。
機体解説[]
ケルカリア | |
型式名称 | QUEL-QUALLIE |
所属 | ゼントラーディ軍 |
乗員 | 3名 |
開発 | ボコムクシ第2117334ゼントラーディ全自動兵器廠 |
全長 | 126.7m(航行形態時) |
空虚重量 | - |
全備重量 | 2076,9t |
機関 | ボコムクシ熱核反応路 ボコムクシ中型高推力熱核ロケットノズル×2 |
出力 | 16.8GGV×2 |
最高速度 | - |
武装 | 二重長射程荷電粒子ビーム砲×2 近接戦用自己誘導ミサイル×12 |
ケルカリアはプロトカルチャーの銀河帝国分裂戦争以前から存在する、司令部偵察(戦略偵察)艇の探知能力向上型である。ゼントラーディ軍だけでなく、ほとんど同型の機体が監察軍によって運用されており、どちらも銀河帝国時代のものがそのままの形で生産されていると推測できる。
多数が配備されているワンマン偵察ポッド型リガードが前線での戦術偵察用であるのに対し、ケルカリアはずっと大型の艇(ボート)に近く、高い防御力を生かし単独で戦線後方深く侵入、戦略・戦域偵察を強行するもので、はるかに高級な機材である。劇中でもアーマード・バルキリーの攻撃に良く耐え、艇内に侵入され自爆するまで善戦している。
もともと銀河帝国時代の技術が最も高い時期に作られた兵器であり、ゼントラーディ軍で運用されている型も光学系センサーを強化した程度の改良に止まっている。探知装置として超長距離早期警戒ドップラーレーダー、重力波パッシヴレーダー、光学・電磁波・素粒子各系統のパッシヴ・アクティヴ両用クラスターを搭載と、極めて充実している。しかし修理能力を持たない同軍においては複雑なシステムの維持は大変困難であり、その性能をフルに発揮できているとは考えられない状況にある。このため、標準装備として量産が続いているにもかかわらず、各艦隊あたり数十機を配備するのがやっとの希少な存在である。
高い防御力を誇る偵察艇であるが、撃破された場合でも情報を持ち帰ることができるように、乗員全員が搭乗できるボリリグ緊急脱出カプセル一基が搭載されている。また、劇中での描写は無いものの大気圏内への侵入も可能のようで、機体後方に伸びた着陸脚を用いた歩行すら可能である。
「マクロスF」小説版4巻にもVF-X所属の機体が登場。この機体は、プロトカルチャーの遺跡から発見された完全オリジナル状態の機体。2050年代現在のゼントラーディ軍や新統合軍の他の部隊で運用されているケルカリアとは比較にならない超高性能を保持し、新統合軍でも再現・製造できないほどの希少な機体であり「VF-Xの切り札」と書き記されている。
参考資料[]
みのり書房「マクロス・パーフェクトメモリー」(1983年刊)